Innocn 32M2V設置レビュー

1.導入

右が32M2V。左はDellのG3223Qです。

今年中に買えればいいかなと思っていた32M2Vが早くも3月の頭に手に入ったので、3年前ぐらいから構想していたデスク周りがほぼ完成した。

27インチ×3、32インチ×2、いずれも4Kディスプレイ。

モニターの構成はDell U2720Q×2、S2721QS、G3223Qと、Innocn 32M2Vの計5枚。

まず前提として、私個人の趣味としては特にFPSゲームをやる人ではないので、ディスプレイには240Hzなどの高リフレッシュレート+低遅延を求めておらず、むしろ文字を打つ機会が非常に多いので、4Kである程度大きく文字を表示できるという点が最優先だった。

なので、本来であれば32インチのモニターもG3223Qなどではなく、U3223QEなどの事務用のほうがよかったのだけれど、6万円台で手に入る機会があったのでその際に購入した。今回購入した32M2Vも、普段はあまり目にしない8万円台だった機会があったのでその機会を逃さずに購入に至った。

32M2Vの色校正なども含めたレビューはすでに半年以上前に有名どころの方が出していてそれ以上何か付け加える必要もないので、私からは設置時に気になった点やメニューなどの簡単な説明に留めておくことにする。

2.設置について

設置に関してですが、私の場合はモニターアームに吊るすことが前提なので、モニターに付属している台座の使い勝手については特に書きません。

さすがの大きさ。1人で持つことのできる限界だろう。

最近はamazonにもシルバーの筐体以外に黒の筐体が登場してバリエーションが増えているのだけど、今回安売りしていた方はシルバーの筐体だった。

32M2Vは映像入力がHDMI2.1×2とDisplayport1.4×1(USB-Cを含めると×2)となっているので、付属品はそれに合わせてHDMI2.1ケーブルとDisplayport1.4ケーブルが一本ずつ、それにUSBハブとして3.0×2の出力が用意されているので、その入力用ケーブルとしてUSB-BケーブルとUSB-Cケーブルが一本ずつ、付属している。

設置するにあたって少し気になった点を2点ほど書いておく。

 

① ACアダプタ
電源アダプタは、DellのようにACアダプタがモニター内蔵ではなく、少々大きめのものが用意されている。

75mm×185mm×33mmという大きさ

表面にうっすらと見えるように、このACアダプタの最大出力は240Wとのこと。HDR1000でminiLEDなので、輝度が高くなればその分だけ消費電力が必要となってくるのだろう。

今までDellのモニターでは考える必要がなかったのだけど、この大きさのACアダプタをモニターの裏のどこかに設置しなければならない、ということを念頭に置いて購入後の設置場所を考えるべきだと思う。

 

② VESAマウント

ネジがギリギリ入るか入らないか、といった感じ

これは他のレビュアーの人も指摘していたが、Innocnが用意している台座のアダプターの設計上、VESAマウントを設置するためのくぼみの下側にちょっとした出っ張りがある。

特にエルゴトロンのモニターアームのVESAマウントのように正方形のマウンターの場合、上の写真のようにマウンターを出っ張りが少し上に持ち上げてしまい、結果、ねじ穴が下方向にぎりぎりとなってしまう。

私の購入した筐体の場合には本当にぎりぎりだったが、このままでもネジを設置することができた。しかし、本当に10分の1ミリ単位でもずれればネジに無理がかかってしまうだろう感じなので、個体によってはねじが入らない場合もあるかもしれない。

それを避けるために、エルゴトロンから出ているスペーサーや、それが高ければ長尾製作所から出ているねじ式のマウンターがあるので、それを用意するとうまく設置できるようになる。

私のものはねじを設置することはできたのだけど、やはり少し不安だったので、たまたま手元にあったDellのマウンターを使用している。

3. OSDなどのメニューについて

メニュー表示と項目、反応などについては、他のレビュアーが指摘していたような不便さは、少なくとも私は特に感じなかった。

一つだけ、このモニターがminiLEDの真価を発揮するために必要な輝度調整のための領域分割機能をONOFFする項目である「ローカルディミング」がなぜか「ピクチャ設定」ではなく「ゲーム設定」の中にあったので探すのに若干苦労した点には不満があるが、それ以外の項目の操作については、正直今まで使っていたDellのモニターと大差ないので特に気にならなかった。

4. 映像の見た目について

こちらについては初期のレビューで、映像美を強調するためにビビッドな方向に偏っている旨が報告されていたが、その後改善されたのか、それほどきつい感じではなかった。

キャリブレーターを出してくるのが面倒なのと、改めて私が不十分な環境で測定してもあまり意味がないだろうと思ったので特に色の正確さなどは計測していない。

ただ、現状では基本的にRGBの成分などを弄らずともおかしな色があるなどは一切見られない。

5. HDRについて

これは32M2VというよりnVIDIAのドライバーの昔からの問題なのだけど、モニターを3枚以上つないだ状態でHDRを有効にするとなぜかGPUのメモリクロックだけ常時高くなってしまうという現象があり、GPU温度が5℃以上上がってしまうという問題がある。

それ以外にも、常時144Hzにしていても同じ現象が起きる。これが4K環境限定なのかどうかはわからないが、そんなわけで私の環境下ではG3223Qも32M2Vも両方120Hzでとどめている。

ただ、私の使い方的に少しでもリフレッシュレートを挙げてFPSゲームなどで有利をとろうなどとは考えていないので、現状では特に問題ではない。しかし何か制限がかかる状態はあまり良くないと感じるので、この問題は早く修正されてほしい。

HDR自体の綺麗さはすでに報告されている通り。感覚としてはコントラストができて奥行きが深くなったような感じ。ただ、対応コンテンツが少ないのが本当に残念。ゲームでもWindows11の機能である自動HDRを試すと多少はよくなるので、HDRはなるべくONにしておきたい。

 

32M2Vについては以上です。

このディスプレイが来たのでデスク周りがほぼ完成しました。

その話についてはまたいずれ。