真っ白PCに対抗して真っ黒PCを組んでみた(GeometoricFuture Model4 CALIBURNのレビューも少々)

ぱっと見で分かりにくいが、下部吸気120mm×3、上部排気140mm×2

今回の記事は表題の通り、メインPCで組んだ真っ白なパーツとは真逆の真っ黒なPCを組んだというお話。

 

今のメインPCの見た目は以下のような感じです。

ミドルタワーなのに4090がやたらでかくて狭いように見える

今現在と若干変わっているが、基本的にはこちらの記事に書いたパーツを使用している感じで、もちろん何の不満もない。

ただ、現在でもPCパーツ全体で見れば黒色がいまだに多い。

基本的に私は特に色とかでパーツの好みを決めているわけではなく、総合的に“良い”と思えたパーツを買って実装する人間なのだけど、ここ最近は少し白色PCを用意することにこだわりすぎて、若干パーツの見極め方に偏りが出ている感じがしたので、だったらと黒色だけで組んで両方に備えることができるようにしよう、という魂胆でパーツを揃えた。

 

とは言っても、今回のこの黒色PCを組むために改めて買ったパーツは120mmのケースファンとPCクーラー、ケース程度で、それ以外はいままで使っていたパーツをそのまま流用している。

構成は以下。

 

【構成】(は今回の構成に合わせて購入したもの)

CPU……AMD Ryzen9 5900X

GPU……玄人志向 GALAKURO GAMING GG-RTX3060Ti-E8GB/DF

M/B……MSI MEG X570 UNIFY

RAM……CenturyMicro CB16G-D4U3200H(16GB×2)+ CE16GX2-D4U3600/4000(16GB×2)

ROM……Seagate FireCuda 530 (1TB)|Samsung 870 EVO 2TB|Western Digital WD40EZRZ-RT2 [4TB SATA600 5400rpm]

PSU……SuperFlower LEADEX V Gold 850W

COOLER……NOCTUA NH-U12A chromax.black

CASE…… GeometricFuture MODEL4 CALIBURN

FAN……ThermalRight TL-B12B×3|TL-B14B Extrem×2|ADATA XPG VENTO PRO ×1

 

まあ色々と理由を述べましたが、一番の理由はGeometoric Futureのケースが気に入ったからです(笑)。

年始に秋葉原でパーツを見て回っていた時に、今まで使っていたDefine7 Compactよりも高さ方向で一回り小さいというコンパクトさと、それでもE-ATXを収納できるという取り回しの良さに惹かれて購入を決断したという次第。

写真だとわかりにくいが、実測だとCALIBURNの方が5cm以上低い

高さ方向が抑えられている一番の理由は、電源の収納位置が、右のDefine7のようにケース下部のシュラウド内ではなく、ケース右上の部分、昔は5インチベイがあった場所になっているから。

それに加えて、フロントからの吸気がなく、基本設計では吸気をすべてケース下部から吸い上げる形になっているということも大きい。

ケース真上から。右のフロント側に電源の収納場所がある。

分かりにくいが、奥に電源のファンガードが見える。冷却はケース内のエアフローを利用。

このモデルでは、実はフロントもメッシュになっているタイプもあるのだが、ファンを設置できないうえに埃対策用のメッシュなども用意されていなかったので、ガラス+ミラータイプのものを選択した。

正面から。写真だとわかりにくいが上半分はミラー。

以下、特に思ったことを2点ほど。

 

【エアフローについて】

こうしたコンパクトケースの場合、一番の懸念点はやはり冷却性能だと思うが、特にこのケースの場合にはGPUも含めた冷却性を考えることが必要だと思われるので、例によってFFXVのベンチを試しに回してみた。

もちろん、使用するケースファンやクーラーの性能、ファンの回転数の設定にもよるので一概には言えないが、少なくとも私の構成ではCPU温度は最高で70℃でたいていの場合60℃中盤ぐらいの温度で推移していた。GPUの熱を吸い上げてしまうのは空冷の宿命だが、60℃台で安定して推移していたので、ケース内に熱がこもってしまうということはないと判断できる。

最近のケースを見ていて思うのは、フロントからの吸気がなくボトムから吸気するタイプのものが増えていて、GPUのみならずマザーボードの各部位の冷却という観点からも割と合理的なのだろうということ。

流行のピラーレス+デュアルチャンバータイプだと、ボトムからだけではなくサイドからも吸気ができ、結果的にケース内が正圧になるはずなので、フロント吸気を切るというのは正解なのかもしれない。

 

【グラボの大きさとの兼ね合いについて】

ボトム吸気の場合には通常の電源配置ができないので、ケース側で電源の置き場所に工夫が必要となるわけだが、今回のCALIBURNの場合にはフロント部分に電源を吊る形で対処してたのがスマートだなと思った。

ただ、今回私の構成では3060tiの2連ファン仕様だったために電源の吸気口から熱源が離れた形になったが、昨今のグラボの巨大化もふくめて考えると、これが3連ファンで横に長い70ti以上のハイエンド帯のグラボだった場合には事情が異なってくるだろう。CPUやGPUとは違って電源内部の温度は気軽に測定できないので、その辺の熱処理に少し不安が残る。

また、このケースの場合、電源のケーブルがフロントから出てくる形になるため、3連ファンの大きなグラボの場合、フロント部分でのケーブルの取り回しを工夫する必要が出てくる。二つ上の写真を見てもらえるとわかるように、結束バンドなどで固定する必要が出てくるだろう。

 

【総評】

もともと大きめのATXをコンパクトなサイズに収めようとするのだから、多少の工夫は当然ながら必要となってくる。

その点を差し引いても、今回のケース(GeometricFuture Model4 Caliburn)は細かいところでいろいろと組みやすいと思った点が多かったので私としては見た目も含めて高評価です。

裏配線スペースもしっかりとしていて、特殊な電源の位置を感じさせない組みやすさがありました。ちょっとネジが多いのと、どこで2.5インチや3.5インチのSSD, HDDが止められるのか書かれている仕様書がないので、初心者向きではなく中級者以上を対象としたものかな、という印象です。

一つだけ不満点があるとすれば、PCIeスロットの下半分がねじ止め形式ではなく切り離し形式である点。つまり一度スロットを空けたらその部分が空きっぱなしになってしまう。昨今のケースでは割と珍しいし、上半分だけをねじ止めにしている分、余計にこの形式にした理由が意味不明だった。

それ以外の点についてはおおむね満足しているので、いい買い物でした。