今年のキーボード振り返り

とりあえず今年買ってカスタマイズしたキーボードを、備忘録として記録に残しておくことにしよう……と決めてから買った数を数えたら、全部で17個

でも、楽しいからよからんなのだ。

これに加えて、割と頻繁にキースイッチやキーキャップを替えてしまう性質なので、今所持しているほとんどの筐体にカスタムが加わっている。これからもどんどん手が加わっていくことだろう。

というわけで、2024年12月時点で各筐体がどのような構成であるのか、キースイッチとキーキャップ、それに打鍵音を併せて掲載して、個人用アーカイブとして記録しておくことにした。

この記事が何かの拍子に、キーボードカスタマイズに興味のある人にも役に立てば幸いです。

 

録音環境は以下。

・マイク:DR-07X

・ソルボセイン、静振ゴム使用

あえて吊るさないことで、筐体の衝撃吸収の度合いがわかったので、割と収穫が多かった。

以下、

  • 現在の見た目の画像
  • 筐体名
  • 所感
  • キースイッチ
  • キーキャップ
  • 打鍵音

のセットで紹介していく。

ちなみに並び順は好み順というわけではなく、なんとなく似たような打鍵音のものを隣同士にしてる感じ。

あと、デフォルトのキースイッチやキーキャップその他を変更している場合には、筐体名の横に「(カスタム)」と記しておく。

また、キースイッチやキーキャップは、変更なしの場合にはdefaultと表記し、変更のあるものについては製品名をそのまま記す。

 

目次

① 通常のメカニカルキーボード枠

個人的メモ:私個人の好み、というかタイピングの癖と言えばいいのか、なぜかCherry Profileのキーキャップが合わないということがあり、今回紹介するキーボードもけっこうな割合でキーキャップを別のプロファイルに交換している。

Epomaker Aula F75(カスタム)

これからもキーキャップ、スイッチともどんどん変わる予定

所感:最高にちょうどいいメカニカルキーボード。買ったままでも十分に良いし、カスタマイズにもよい反応を返してくれる。まずこの筐体からメカニカルキーボードに入れば色々と楽しめるはず。

・スイッチ:Bsun Strawberry Bear Swtich

・キーキャップ:Keychron OSAプロファイル

・打鍵音:

Epomaker Galaxy70(カスタム)

元のキーキャップは側面印字なのと白→水色のグラデーションなのでとても綺麗

所感:個人的最高級キーボード(値段にかかわらず)。買ったままでほぼほぼ完成している。その分、カスタマイズする際は自分のそれまでに蓄えた知見が問われていた……気がする。一番のお気に入り。

・スイッチ:HMX Xinhai Switch

・キーキャップ:Ocean Party Keycaps

・打鍵音:

Nuphy Gem80(カスタム)

ちなみに本国公式から購入したほうが2万円ほど安い

所感:最初に買ったメカニカルキーボードにして個人的最高峰。キーボードにおける自分の打鍵感・打鍵音の判断基準は常にここだったが、最近ようやくキースイッチをカスタマイズする勇気が出た。あと個人的にはNuphyのmSAキーキャップの良さも光る。

・スイッチ:PH Studio Little Rabbit Linear Switch

・キーキャップ:Nuphy Gem mSAプロファイル

・打鍵音:

Zuoya GMK70(カスタム)

思った以上に違和感なく使えた

所感:分割キーボードというものを知りたくなり、手ごろな価格のものを探していた際にアリエクで見つけたベアボーン製品。価格が安い分、フォームなどが恐らく簡易的なものになっているので、良い音を出すにはスイッチを選ぶ。ただ、打鍵感はどのスイッチでも悪くない。

・スイッチ:YG Studio HMX Canglan V2 Linear Switch

・キーキャップ:Keychron OSAプロファイル

・打鍵音:

GravaStar Mercury K1 Lite

ほれ、美しかろう?

所感:色物と思いきや、上記のGalaxy70にも劣らない打鍵感・打鍵音。デザインの分、若干取り回しがしづらいけどそれも含めて愛でることのできる筐体。カスタマイズせず一台で完結させるつもりなら個人的イチオシ。デザイン自体もザハ・ハディッドの建築を思わせる造りでよい。

・スイッチ:Default(GravaStar x BSUN Custom Linear Switch)

・キーキャップ:Default(Cherryプロファイル)

・打鍵音:

Wobkey Rainy75 Lite(カスタム)

R2-D2仕様のキーキャップがとてもよい

所感:カスタマイズしすぎた結果、中身が完全にProになったやつ。いくつもコトコト音系のキーボードを買ってみたけど、いまでも唯一無二の打鍵音を出していると思う。打鍵音の本当の特徴は微妙な擦れ音にあり。

・スイッチ:JWK WOB Linear Switches

・キーキャップ:NovelKeys R2-D2

・スイッチプレート:FR4

・打鍵音:

Royal Kludge M87(カスタム)

左上のスイッチ類と右上の二つのダイヤルがチャームポイント

所感ファミコンカラーに魅かれて買ったやつ。デザインによく合ったプラスチック音が特徴。ただ、これに合うスイッチを探すのにもわりと苦労した。

・スイッチ:Yunzii Milk Linear Switch

・キーキャップ:MAMBASNAKE ASAプロファイル

・打鍵音:

Weikav RecordAlice V2(カスタム)

ほれ、美しかろう?(第二弾)

所感:Alice配列というものがどういうものか知りたかったので買ったベアボーン製品。KeyreativeのGestaltを見て、このキーキャップはこの筐体のために生まれてきたのではないかと思ったほど見事にマッチした。プレートが柔らかめなので、しっかりと音を出すタイプのスイッチと相性が良い。

・スイッチ:EPOMAKER Jade Blossom

・キーキャップ:Keyreative Gestalt PBT Cherry Profile Keycaps

・打鍵音:

Weikav Lucky65 V2(カスタム)

実は一番クラッキーな打鍵音

所感:購入時点でFR4プレートの筐体が少なかったのと、雑にスイッチを試すことのできる筐体が欲しかったので買ったベアボーン製品。フォームなども含めて非常にバランスのいい感じに仕上がってる隠れた名作。スイッチテスト用として重宝してます。

・スイッチ:MMD Princess V4 Linear Switch(28g)

・キーキャップ:Keytok Ivory Symphony

・打鍵音:

MAMBASNAKE Xinmeng M71(カスタム)

スタビライザーの追いルブすると化けるかも、と思って幾星霜

所感:こっちもLucky65 V2と同じくスイッチテスト用に買ったものだったけど、こっちはプレートが柔らかくてスイッチやキーキャップとの相性の差が出やすかったので、なかなか弄りづらかった。でもかなり勉強になったし今の組み合わせで割と満足している。

・スイッチ:Akko Rosewood Linear Switch

・キーキャップ:mintcaps MSAプロファイル

・打鍵音:

② 磁気キーボード枠

個人的メモ:磁気キーボード全般で気を付けるべきことは、基本的にはガスケットマウントではないこと、プレートが金属+ノンフレックスであること。ガスケットマウントのものももちろんあるが、基本底打ち感が堅めのものが多い。

あと磁気スイッチは通常のメカニカルと比べてわりと粘り気があり、特にキーの戻りに独特の感触がある。通常のメカニカルスイッチよりも気持ち軽めのものを選ぶと求めている重さに近い感触を得られるはず。

磁気スイッチはまだあまり手元に数がないが、個人的にルブ必須なものが多い。ルブ前とルブ後ではまるで別の打鍵感・打鍵音になる。GateronのJade Proですらルブしたくなる(まだしてないが)。

Keychron K2 HE

個人的に磁気キーボード+OSAプロファイルが合わなかったのでNuphyのmSAに交換したら、色合い含めて最高になった

所感:磁気キーボードでちょうど良いものを探していた時に海外クラファンで見つけた。初めてスイッチルブに手を出した製品。今では唯一無二のお気に入りキーボードになった。打鍵音を聞くとわかるが、ほかのキーボードとは一線を画した独特の静かな音になっている。

・スイッチ:Default(Gateron Double-Rail Magnetic Switch)追いルブ済み

・キーキャップ:Nuphy Gem mSA

・打鍵音:

Nuphy Halo65 HE

これが個人的に一番Cherry Profileが合わなかった

所感:NuphyのHaloシリーズからHEが出たというのでノータイムで購入。割と安かったが、スイッチがGateron Jade Proなのと、安定のHaloシリーズの筐体なので、ほかの高級磁気キーボードと遜色ない作り。麻雀音ってこのぐらいの高さの音なんだろうなと知った。

・スイッチ:Default(Gateron Jade Pro Magnetic Switch)

・キーキャップ:Keytok Beat Boy

・打鍵音:

ClickClack Kochi Hummingbird68

キーキャップはどこかの段階で交換したい

所感:グループバイで4か月かかってやっと届いたやつ。デフォルトの状態だとスイッチの擦れ具合がひどかったけど、ルブしたら見違えた。たぶん持っている中で一番打鍵音が高い。音に違わぬ軽めの打鍵感。あと筐体がやたら分厚い。重い。けどキーを叩いてて楽しい。

・スイッチ:Default(Elven Blink HE Switch)追いルブ済み

・キーキャップ:Default

・打鍵音:

③ 静音・薄型キーボード枠

個人的メモ:筐体の特徴ではないけど、通常のメカニカルとは評価軸が少々異なるので、こちらに薄型キーボードと静音キーボードをまとめておいておくことにした。

最近の静音軸はどれもレベルが高く、雑音を消すガスケットマウントとの相性が良いので、静音性だけをとってみればもはやリアフォよりもよい。

Lofree Flow(カスタム)

今でも外作業するときにいつも使ってます

所感:ロープロキーボードは個人的にこれで完成しているので、ほかにあまり手を出すつもりはない。個人的デメリットは、人によってはデフォルトのスイッチだと若干重めに感じなくもないというぐらい。

・スイッチ:Spector Low-profile POM Switch

・キーキャップ:Default

・打鍵音:

Lofree Flow Lite(カスタム)

無印と比べて少しだけ背が高めになっています

所感:上記製品のLite(と称したアップグレード)版。筐体がプラスチックになったが重さ自体はほぼ変わらない。注目は、こいつと同時に発売されたHadesスイッチ。打ち込んでる自分でも不安になるぐらい打鍵音がまったくしない。これでもう打鍵音がうるさいなんて言わせない。

・スイッチ:Hades Low-profile POM Switch

・キーキャップ:Default

・打鍵音:

Nuphy Halo75(カスタム)

実はこれが一番スイッチを交換している筐体

所感:本来であれば通常のメカニカル枠に入れるべき筐体だけど、下記のYogurt Silentスイッチとの組み合わせで静音性があまりに高くなったので、静音枠で紹介。静音スイッチは他にGateron Zero DegreeとKaihl Deep Seaを持っているが、打鍵音と打鍵感のバランスで言えばYogurtがいちばん。打鍵感はGateronのやつの方が若干良いけど音はそこそこする。

筐体ですか? 最高にちょうどいいやつパート2。

・スイッチ:LICHICX Yogurt Silent Linear Switch

・キーキャップ:Default(Nuphy Gem mSA)

・打鍵音:

REALFORCE R3 有線 45g 日本語配列

撮影して気づいたけど、筐体としてはリアフォがダントツででかい

所感:こっちは静音枠としての評価。上のHalo75と音を比べてみるとわかるけど、静音性で言えば若干劣る。けど、こっちはこっちで唯一無二の打鍵感も備わっている。他のメカニカルなどと比べると推し始めから押し終わりまで、終始非常にふんわりした打鍵感で疲れ知らず。これを使うと、ほかのメカニカルの打鍵感には、特に打ち終わりに筐体からの跳ね返りがあることに気づける。だてに長年高級キーボードを出してるわけじゃないということをまざまざと見せつける独自のキーボードですね。まだまだ輝けそう。

・スイッチ:Default

・キーキャップ:Default

・打鍵音:

 

何かを完成させることの効力

何かを一度でも完成させたことのある人ならわかるかもしれないが、何かしら“完成”なる状態があるようなことに取り組んでいる際、ある段階で、その良し悪しに関わらず、一旦表に出すという形で完成をさせなければならない、という思いに至ることがあるはずだ。

“完成させなければならない”とは言っても、何か遮二無二作り上げなければならない、といったような使命感とかからくるものではなく、むしろ、これは今この時点で完成ということにした方がよいのかもしれない、といったような、何となくの予感と言った方が正しい。

例えば、ある絵を完成させるためにどうしてもうまくいかない部分があり、そのうまくいかない部分を技術的課題だと捉えて、その部分がうまくいくまで延々と弄っていたとする。そういう時間を経て、ある時にふと、ああこれは何らかの形で表に出さないといけないな、という気分になる、というようなことを言おうとしている。

何故そういう気分になるのか、あるいは、どういうときにそういう気分になるのか、それはわからない。しかし、ふとそのように思った時に、何らかの形で完成という状態に持っていくことの意味は、後になるとだんだんとわかってくることも多い。だいたいは、ああこれはこの段階で“完成”させなければこの作業は後にも先にも引けなかったのだな、という感じになる。

逆に、何かしら理由を付けて完成を急いだり、完成させずにいつまでもぐずぐずしていたりすると、後になって何らかの形で、しかも思わぬ形で後悔することが間々ある。

完成させる、という行為は、完璧にする、という行為ではない。何かを作る際に完璧を目指すための作業と、完成を目指す作業は似ているようで違う。もちろん“完成”したものとして表に出す際にはなるべく悪い部分がないようにするという作業は必要になるが、それは何かが自分にとって納得のいく形にする作業とは部分的に異なる。

しかし、それが部分的に異なる作業であるからこそ、それが表に出る形になり、実際に表に出た途端に、今まで自分では気づいていなかった悪い部分が一気に見えてくるようになる。ある文章を誰か別の人に提出する必要があった場合、メールなどでデータを送付したすぐ後、文章を目の前にしていないのにもかかわらず誤字脱字や直すべき文がいくつも自分の頭の中に思い浮かんできて、結局、提出したものから大きく修正した原稿を送り直す、といったこともしばしば生じる。

これを「客観化」と言ってしまうとまた少し違う。客観化は基本的に自分の目から切り離す作業である。しかし、完成をさせることによってむしろ、より対象が内面化していくという感覚の方が近い。自分自身の感覚になるので人に当てはまるのかはわからないが、完成をさせることによって、自分が相手取っているものの形がわかり、その距離の取り方がわかるようになる、といった感じだろうか。

逆に未完成の状態のものはどのような形を持つものなのかがわからず、自分が相手からどのような距離感を保てばよいのか、あるいはそもそも相手から自分がどのような距離を取っているのかが極めて掴みづらい状態なのだろう。もちろん、何度も制作を経験するうちに、ある程度相手の形が予測できるようになってくるが、しかし完成を見ない内は細部に至るまでの形はやはり不鮮明であり、その細部が完成を見ることによって、たとえば書いていた文章の誤字脱字などがぱっと見えてくる……というところなのだろうと今のところ納得している。

自分がわかりたいのは、なぜ作業をしているとふと、これはここで完成させなければならない、という感覚に陥るのか、その予兆はどこにあるのか、といった部分。しかしこればかりは、取り組んでいる制作物やその際の自分の取り組み方、レベルによってまったく異なってくるのだろうから、何か一定の法則性の把握やその理論化は難しいとは思う。

それでも、そのきっかけか、萌芽だけでもわかっておきたいと思うのは、完成させねばという思いが発生すると、それに合わせて各種の時間の使い方をすべて変えなければならなくなるから。何かを完成させるとなると、その作業を基本的には一気に進めざるをえなくなる。それでも何か要領の良い人であれば並行して色々な作業を進めることができるのだろうけど、少なくとも自分にとって完成させる作業とは、自分が今見える限りの細部を詰める作業であるから、必然的に自分のリソースの大半をそちらに割くことになり、他の作業に目配せができなくなってくる。

無論、そのような労力を払ったとしても、結果できあがるものが全くダメなものであるということもしばしば。それでも、それを完成させなければならないと思った自分にとっては少なからぬ報いがあるので、無視することもできない。

さてどうしたものか……と思いながら、日々何かをもにょもにょ作り続けている。なぜ何かを作り続けているのかはわからない。

知識欲

最近インプットができないという話をこの前の記事で話したが、これは要は自分自身の欲を振り返る暇がないということでもある。そして欲を振り返る暇がないと、そもそも欲そのものが湧いてこなくなることすらありうるのが恐いところだ。

知識を蓄えるということ自体、そもそもが欲を中心に置いた行為である。どこまでその欲に基づいて知識を得られ続けるかは、その欲の深さに依存するが、知識を得るとその分だけ欲は深まっていく。知識は渦のようなもので、その渦が小さいうちは腕がそれほど外側に伸びず、結果的に自分の他の欲に振り回されて自然消滅するということもしばしばあるが、継続的に知識を蓄えていくと、ある地点で腕が外側に伸びるようになる。そうすると、知識の深まりとともに欲もどんどん深くなり、最初に知りたいと思っていたことなど突き抜けて、やがて知ること自体が目的と化すことすらある。そういう状態になれば、知識を得ること自体がむしろ自然な行為となってきて、何をするという意識もなく手元に様々な情報が集まってくるようになる。

面白いのは、そうした知識欲のきっかけそのものは別段何か高尚な動機に基づいているわけでもなく、私生活上のしょうもないことがきっかけとなることがしばしばあること。しかし、そうした自分のメンツや下心なんかが動機となっていること自体をいかに早期に喝破し、そのような自分の行為を自然なものであると受け止めるか否かで、知識の腕がうまく渦を巻いてくれるかどうかが決まる。そこに気づくことができないと、腕や渦が歪み、偏った知識しか得られていないこと自体にも気づけなくなる。そうなると、いつまでもそこに自分が残り続ける。

知識欲を“欲”として正しく機能させ続けるには、そこに自分が残らないことが肝要だ。

世間的にはこうした振る舞い方を“客観化”と言ったりするようであるが、何のことはなく、要は欲が自律してうまく機能してくれるかどうかまでの面倒を見る、ということに過ぎない。自分が何をやりたいのか、ということが気になるような段階ではまだ“主観”が残っているはずであり、それに照らせば上記の“客観”なるものがどういう意味であるのかも分かるだろう。

つまるところ“客観”とは、相手(知識を得る対象)の都合に合わせることでしかない。あるいは、私がこうしたい、こう見たい、ではなく、向こうがそうさせてる、向こうがそう見せている、ということに合わせて自分を動かすことだ。「欲」という言葉で知識の話を始めたが、その言葉に合わせるのであれば、知識「欲」とは自分の欲ではなく、知識そのものが欲望であり、その欲に自分がまきこまれている、と言った方がよいだろう。

ただし、この“客観”化は、自分というものから知識を切り離すことでもあり、つまり相手(=知識)がどのように自分を突き動かそうとするのかも見えてくる。その時点において、それでもなお自分がその渦に巻き込まれようとするかどうか、どこまで付き合うのか、という点は一つの選択のしどころであって、インプットができない、という話はつまりこの地点の話だ。

自分から切り離されたものはやがて、パッケージ化されつつ徐々に忘却される。そうすると、それが自分の欲をきっかけとして生まれたものであったことすらも忘却される。“客観”化は、それに伴って自分自身の現状を突き付けてくる。いっそ自分のもののままであった方がよいとも思えるが、そのまましておくと情報は知識でなくなっていく。

知識欲との戦いは常に撤退戦である。

模写を始めた

最近思い立ったので、毎日1枚程度、アニメのレイアウトを模写するという作業を進めている。

いま模写の対象としているのは『スタジオジブリ・レイアウト展』図録。たまたまレイアウト展を見に行った際に購入していたものを引っ張り出してきた。

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特に何か特別な目的があってレイアウト集を選んだわけではないが、レイアウト絵が基本的には鉛筆の線で絵が描かれているので、アナログで製図の用のシャープペンシルを使った模写の対象としてはわりとよい題材だと思う。

基本的には、自分で絵を描く際に迷わず立体の線を探すことができるようにするということを第一の目的として模写を続けているが、そのためには結局のところ、普段から自分が描こうと思っている対象の質感をどれほど具体的に観察できているのか、という点が何より重要だということを再確認した次第。

線を選ぶためには、線が決まっているかどうか、という判断そのものの精度が問われることになるが、その判断自体は線を引く技術では得られない。アニメの線は基本的には人の目を騙す線であり、そのためのごまかしが技術と呼ばれるわけだけど、何をどう騙すのか、という根本的な部分の判断ができるかどうかは、世界をどれだけ具体的に見ることができているのか、という部分に直接的に影響を受ける。

引く線が多ければ、その分だけ一本の線の精度を落としてもそれほど気にならなくなる。当たり線をたくさん引けば、その線の中から消しゴムでより良い線を削り出すこともできる。しかし、その削り出しをおこなうにせよ、自分の中でそれが“良い”と判断できるようにするための判断基準が必要となる。

割りと恐ろしいのは、“良い”と判断した線が、実はあまり立体を描けていない場合。私の場合、絵ばかりを見ていると気づけないので、散歩に出かけるなどして自分の身体とモノとの距離を意識してからもう一度絵を見ると、気づくことのできる場合が多い。

人によって異なると思うが、自分の場合にはモノの形を測る尺度が自分の身体との距離感であることを、線を引き始めてから自覚した。だから遠景になればその分だけのっぺりする。模写をする中で、遠景を描ける人はいったい何を尺度として持っているのだろうかということが意識されるようになってきた。

学習というのは人を知ろうとすることなのだろうなと思いながら、日々自分の線を模索している。

文章が書けなくなって久しい

このブログを始める前に、数年前までほとんど毎日書いていた別のブログがあったのだが、数年経ってしまうと毎日こうしたことに取り組むということ自体が非常に億劫になってしまっている。

別段、今更毎日何かを書くこと自体に異議を見出すということもないのだが、しかしそれでも以前続けていたブログの記事を読んでみると、インプットしていた情報の整理をおこなっていたり、割合精力的に日々の活動をしていたことがうかがえる。

翻って、いまこのブログで書くことが億劫になっているのは、インプットそのものが減っていて、書く内容があまりないということも大きな原因となっているように思われる。

数年前と比べれば趣味が増えたので、日々得たい情報が増えているのだが、それらの情報は鮮度というか、速報性が非常に大事になってくるもので、それらを追いかけていると日々が忙しなくなってくる。以前のブログ記事でまとめていた内容は、基本的には読んだ一冊の本の内容や、それに関連した数冊の文献、ウェブ情報などだった。それらは速報性は特に重要ではなく、むしろ時間をかけて正確に読むべきものだった。

もっと具体的に言うと、例えば、今、自分はメカニカルキーボードにはまっていて、いくつか過去に記事も出しているが、今手元には筐体がすでに10個前後あるような状態になっている。そして、これに加えてすでに3つほど購入予約をしており、これからさらに筐体が増える予定だ。手元にあるキーボード一つ一つに対して簡単なレビューを加えようと、いくつか実際に下書きとして残してあるものもある。しかし、この記事自体に自分として何か価値があるようには思えない部分があるので、結局お蔵入りとなっている。

それは、もちろん自分がまだメカニカルキーボードについての知識が浅く、それらのキーボードを比べる際に何をどのように伝えるとよいのか、という点の取捨選択の基準を定めることができない、ということも理由となっているが、もう一つ大きな理由として、手元にある筐体をここで紹介したとして、1年も持たずにあっという間に市場から消えてしまうこの筐体を紹介し、その記事をアーカイブすることに一体どれだけの価値があるだろうかと疑っているという点もある。

他にも自作PCのパーツについてもレビューを書こうと思えば書けるのだが、同じような理由で結局表に出ていない文章はいくつもある。ただPCパーツについては、アーカイブをすればそれが20年後ぐらいには歴史を追う上で貴重な資料となったりすることもあるのだろうが、その価値は記事の内容そのものというよりは、むしろ骨董価値に近いものであって、その価値は自分がどのように記事内容を精査するかどうかということとは全く別の価値基準によって測られるものである。

 

……というような言い訳を並べて、延々とブログ記事を更新しないことを正当化しようとしているが、この正当化を一体誰に向けておこなっているのかと言えば、それは紛れもなく自分だ。

そしてその言い訳の根幹には、インプットをさぼっているということへのぬぐい切れない罪悪感がある。しかし、この罪悪感もまた、言ってみれば根拠のないものであって、別にインプットをしなくてもだれからも怒られることはないし、損をするのは自分だけである。

ならばなぜ、と思うことしきり。

しかし、外側から要請される必要性とは別に、こうした自分自身の行いに対する倫理的な正否の判断が自分の行動に対し課せられるという経験は、その大小にかかわらず誰にでもありそうな気がするし、結局は誰かから要請されたり強制されたりしている中でも、その自らの持つ倫理的判断が最終的には物事を前に進めるための唯一の原動力となると思われる。

言ってみれば、そうした自分自身の行いに対する自分自身の疚しさの感覚が、唯一無二の原動力となる。そしてその疚しさ故に吐き出される文章を、日々書きつけることに意味があるとすれば、日々頭を擡げてくるその疚しさを何とか宥めて、お布団でストレスなく寝られるようにする、ということにあるのだろう。

とりあえず、閑話休題、みたいな感じの記事を一つだけ公開して、明日以降の自分がどのようにこの場所を構築していくのか、期待せずに眺めることにする。

NuPhy Gem80 レビュー(打鍵音あり):初めてキースイッチから組み立てたキーボード

NuPhy Gem80のライラック色・ラズベリーキーを購入したので、使った所感を書いてみる。

ほれ、美しかろう?(キーボードを愛でるハグリッド)

0.総評

いきなり総評となるが、打鍵音・打鍵感や各種機能をすべて含めて、現状私の環境的にこれ以上の製品を望めないだろうと思うぐらいには満足している。

まず、打鍵音にストレスを全く感じず、かといって静かすぎずに作業をしているという自意識を保つことのできる程度の音を立ててくれるという点が、テキストを多く書く身としては非常に助かっている。

そして打鍵感だが、購入時に選んだラズベリーキーだと入力が軽すぎず重すぎず、数時間キーを叩き続けたとしても全く手に負担がかかっているような感触がないという点が、やはりテキスト書きにとって何よりよい印象。

唯一、人によっては気になる点があるとすれば、筐体自体に高さがある点。スペースキー側の最も低い位置でも、実測値で20mmあった。この高さは、私自身今までリストレストを導入したことがなかったぐらいには手のひらが大きいにもかかわらず、初めてリストレストの購入を決意したぐらいの高さであると言えば多少は伝わるだろうか。

それでも、リストレストがなくとも打ち込む際のストレスはあまり感じないのだが、手のひらの小さい人にとっては大きなデメリットになりそうだなと思ったのでここに記しておく。

しかし、それ以外には現状特に不満が出てくることはないので、私的な総評としては、自宅環境でテキストを多く打つような人にとって私がお勧めしたいキーボード、ということになる。

 

以下は、導入の経緯や各項目ごとの詳細レビュー。

1.導入

今年2024年の3月にLofree Flowを購入して以来、このキーボードの打鍵感や打鍵音が気に入ってしまった。

これに似た打鍵音、特にコトコトとした粒立った入力音がするキーボードをいくつか眺めていた中でも最も惹かれたのが、表題のNuPhyから出たNuPhy Gem80という機種だった。

もう一つ惹かれたのが、WOBKEYから出ているRainy 75という商品。

こちらもまた商品の名前にもあるように、まるで雨音のような(?)コトコトという音が売りのキーボードで、独自開発のキースイッチによる独特のキータッチもまた売りの一つであるとのことだったが、この両者のレビューをなるべくたくさん参照したうえで、最終的にはキーキャップの形状の好みからGem80を購入した。

購入先は海外のNuphy直販ショップ。

私が購入しようとしたタイミングでちょうど日本市場向けにも販売サイトがオープンしていたのだが、サイトを覗いたら、Nuphy本国の直販サイトの値段よりも1.6倍ぐらいはするような値段(5万円強)で売られていたので、海外から取り寄せることにした。

海外から取り寄せるときに気を付けるべきことは、無線付きのモデルに技適がついていない点。Gem80はBluetooth接続で3台まで接続先を記録しておけるので、その機能が使えないのが少々痛いところ。その点は下の使用感でももう一度触れることにする。

注文は5月29日で、そこからたったの5日、6月3日には自宅に到着した。個人輸入としてはかなり到着が早い印象を持った。

2.使用感

① 送付されたものや状態

送付されてきたのは、

  • キースイッチやキャップを装着するための筐体
  • キースイッチ
  • キーキャップ

の3箱で、普通のキーボードの大きさをイメージしていると面食らうような体積になる。

また、普通のキーボードと違って、キースイッチ、キーキャップは自分で装着する必要があるので、買ってからすぐに使いたい人向けではない点は留意するべきだろう

……が、わざわざGem80という機種に行き当たった人が心配することでもないはず。

残念ながらキーキャップやキースイッチを装着する前の筐体の写真を撮り忘れてしまったので、キースイッチのついていないむき出しの筐体がどういう状態になっているのかをお見せすることはできないが、面白いことにリターンキーとスペースキー、ESCキーの三つには既にキースイッチが装着されている状態で、しかもリターンキーはラズベリースペースキーはレモンESCキーはミントと、この機種向けに用意されている3つのキーがそれぞれ別個に用意されていた。これのおかげで、私の手元でスイッチの押し心地やキーの音を確かめることができたので、これはいい販促だなぁと思った。

私自身はこの3つのキーを比べた結果、事前リサーチからの想定通りラズベリーキーの感触が最も気に入ったが、人によっては購入したのとは別のキーを別途購入するみたいなことも十分ありうるだろう。それぐらいには3つのスイッチはどれもそれぞれに良さがあった。

② 打鍵音

以前、Lofree Flowのレビューでやった通り、20秒ほど打鍵音を録音したものを以下に掲載する。

参考として、Lofree Flowの打鍵音も並べて置いておく。

こうして聞き比べてみるとわかるように、Lofree Flowよりもさらにコトコトとした小気味のいい音が聞こえてくるのがわかると思う。あと音声からだとあまり伝わらないかもしれないが、Gem80の方が音が単純に大きい。

Lofree Flowの方が静音性という意味では良い分、いくらか音が滲んでしまっている部分があると思うが、これは良し悪しだと思う。

Lofree Flowはロープロファイルの75%キーボードという括りなので、どちらかというとノートPCを使っている人が持ち歩いたり外出先で普段使いするといった用途が視野に入ってくる。そのような用途を考える場合、Gem80のように粒だった音が聞こえてくると、自分自身は気持ちよくても周囲の人が普通に煩がるだろう。

そういう意味ではLofree Flowの音は非常に絶妙な辺りで調整されていると言える。外で作業をおこなっていても周囲の人を気にするような音とはならず、かといって全く静音であるわけではなく、コトコトと私だけに聞こえる程度の静かな音、と言えばいいのだろうか。

これ以上の話はLofree Flowのレビューとなってしまうので控えるが、Lofree Flowのそうしたバランスのよい音と比べると、Gem80の方は完全に自宅、ないし自分だけが作業するような環境で使用するものだと言える。一応、内蔵プレートに装着するためのシリコンがいくつか製品に同封されており、それを交換することで静音性をいくらか高めることは可能だ。

また、これは海外向けの直販サイトでの注文時に限られるが、オプションで内蔵プレートを追加注文することができ、アルミニウムやPC、POMなどの種類が用意されている。加えて注文時のキースイッチの選択肢の中に、静音性に特化したスイッチが用意されているので、そちらを選ぶことで静音性を高めることも十分に可能だ。

総じて言えば、カスタマイズ性は抜群でスイッチの交換も可能だが、基本的には自宅環境で作業をするためのキーボード、となるだろう。

③ 打鍵感

これは文字で起こすしかないのでわかりやすくお伝えするのが難しいが、自宅で主に使っているLofree FlowやRealforceのR3との比較で言えば、これらのキーボードの中で一番打鍵感が軽いキーボードとなる。

公称値で言えば、Gem80のラズベリーキーの重さはoperating forceで46±5gf、end forceで50±5gfとなっていて、Realforceの標準である45±5gfとほぼ変わらない重さだが、恐らく使用されているスプリングの違いによって感触が異なっている。具体的には、キーを押し込んでから底を打つまでの重さは、Gem80の方がとても軽く感じる。キーの戻りについてはRealforceの方が強く、その分押し込む際の反発もGem80に比べれば強い。どちらが良いかは個々人でかなり違うだろうし、キースイッチの特性が全く違うので、何なら両方とも好きで使い分けをするという人すらいるだろう。

あと、これはタイピングの仕方によると思うが、基本的にキーの押し込みが強めの人であれば、キーの戻りについてはあまり気にせず使えると思う。私自身が強めにキーを叩く人だと思うが、強く叩く分、キーの戻りもそこまで気にするものでもないという程度の印象。リアフォなどと比べてしまえば弱さに気づくが、普段から使用していればほとんど気づかないだろう。

むしろキーを押す際の抵抗がなく、運指の際の引っ掛かりが取れたおかげでタイピングの速度が任意に上がったと言える程度にスムーズになったので、これはうれしい誤算だった。

④ 通信機能

「1.導入」でも言ったが、私が購入したのは海外通販だったので、手元にある筐体には技適が付いていない。そのため、Bluetoothの機能を使えないのだが、本来であれば3台の接続先を記録しておくことができ、パソコンを複数台使用するような環境であってもGem80一台で用事を済ませることができる点は利点だと思う(最近の無線キーボードでは割とよくある機能だが)。

これが使えないと、例えば自宅環境で、据え置きのデスクトップと持ち運び用のノートPCの両方を自宅環境で使用するような人によっては困ってしまうだろうが、私自身は持ち運び用のPCとデスクトップで完全にキーボードを切り替えて使用するつもりなので、そこまで困ることはない。

そもそも私はGem80を基本的に有線接続で使用しようと考えていた口なので、技適の有無はあまり気にならなかった。

もし海外通販での購入を検討している人であれば、このBluetooth周りの制約について自分の使用環境とよく引き比べたうえでどうするか決める方が良いと思う。

ちなみに有線接続は、最近は標準的となったUSB-C接続。

⑤ カスタマイズ性

特に海外直販サイトの注文時に選べる項目の多さ、オプションの多さを見ればわかるが、カスタマイズ性は割と高めで、公式もそれを一つの売りにしていると思われる。特に上記のように、マウントするためのシリコンや機械要素が付属しているので、それらを付け替えることでより自分の好みに寄せることが可能だ。

またスイッチプレートも交換可能で、Gem80に使用されている星形ネジ専用のドライバーが付属している点も非常にありがたい。

3.雑感

これまで特にキーボードについてのこだわりがあったわけではない中でのレビューとなったので、色々とかゆいところに手が届かないような書き方になっているかもしれないが、注文から到着までの早さも含めて、今回はとても良い買い物ができたと思う。

ちなみに生産数が追い付いていないのか、私の第一候補であったモカ色の筐体とキーキャップが無線機能付きでは売り切れていた。トップの画像のように、いま私の手元にあるのはライラック色(これもモカと同じぐらい好きだったので検討当初は悩んでた)だが、こちらも私が購入した直後に売り切れたので、特に無線機能付きの在庫はあまりないと思われる(2024年5月現在)。

ピンク色として売られている筐体だけは残っていたはずなので、日本向けの直販サイトの値段が気になるようであれば、早いうちに購入を検討したほうが良いかも。

サブPC2の構成(2024‐05‐02現在)

1.導入

少し前にGPUをRX7600に変えたが、続けて白い電源が購入できたので、2年間分の掃除も兼ねて底面のファンも変更した。

前の構成は以下。

2.構成

ガバイト製のソフトの挙動が怪しいのでライティングも消せず、
パリピみたいなライティングになってる

基板も電源ケーブルもホワイトになったのでケースのケーブルが惜しい

<パーツ構成>

  • CPU:AMD Ryzen7 7700
  • GPU:ASROCK Radeon RX 7600 STEEL LEGEND
  • M/B:Gigabyte B650m Aorus Elite Ice 
  • MEM:Gigabyte Aorus RGB 6000mhz(非売品)
  • SSDIntel 760p 1tb
  • COOLER:Thermalright Frozen Magic 280 Scenic V2
  • PSUDPS850W-WH-GOLD-ATX3.0
  • CASE:Thermaltake Divider200 TG Air Snow
  • FAN:NZXT P140×3|DEEPCOOL FK120 PASTEL BLUE×2

電源自体は750Wでも十分すぎると思うが、自分の感覚として、割と短期間で他の構成に付け替える可能性もあったので余裕をもって850Wにしておいた。

これとは別に超花製の1000Wの電源もあるので、今回交換した750Wも併せれば予備としては十分だろう。

底面ファンについては買ってから使いどころのなかったディープクール製のパステルブルーのファンに交換。個人的にドスパラのディープクールコラボ製品は割と良いものだと思ってるけどさすがにこれ以上自分の部屋にケースを増やしたくないので購入を控えている。

1800rpmほど回るが、マックス付近だとかなりうるさいので、1100rpm付近で固定して使用しようと考えている。