前提
今回はLofreeというブランドから出ているFlowというキーボードがとてもよかったので、使い勝手その他についてキーボード初心者としてわかる限りのことを書いてみようと思う。
以下が公式の販売ページ。
一応の分類としては、ロープロファイル(つまり薄型)のメカニカルスイッチ方式ということになるらしい。
ちなみに所有しているキーボードは他に、
- R2A-JP4G-BK(リアフォ、ゲーミングキーボード、有線、静電容量無接点、拾った、終売)
- R3UC21(リアフォ、R3、有線テンキーレス、静音タイプ、静電容量無接点、買った)
- Majestouch Convertible 2 HAKUA Tenkeyless 茶軸(無線、テンキーレス、メカニカルスイッチ、買った、終売)
- Majestouch MINILA-R Convertible SILENT静音軸(無線、60%キーボード、静音タイプ、メカニカルスイッチ、買った)
- ロジクール MX KEYS mini KX700PG(無線、テンキーレス、パンタグラフ、買った)
等だが、ラインナップからわかる通り、特に何かキーボードに特別なこだわりがあるわけではない。
単にこいつを試し打ちしたらはまってしまい、その場で購入を決断したというだけの感じです。
総評
英字配列、及び84キーという点に対処することができるのであれば、持ち運びのしやすさも含めてお勧めできるキーボード、と言ったところだと思う。
独特の打鍵感と打鍵音は大きな魅力となるはず。
以下は見た目と基本的な機能、打鍵音・打鍵感、キー配置の注意点、携帯性についてのレビューとなります。
[目次]
1.出会い
今年初めにキーボードをテンキーレスのものに替えようとして、リアルフォースのテンキーレスかHHKBかの二択で悩んでいた時、キーの打ち心地を試すために秋葉原にある遊舎工房に直接出向いた。
2024年1月終わりか2月あたりだったかと思うが、その際に店の扉を入った正面にこのLofree Flowが置いてあった。
私自身はその時にはこのキーボードの存在を知らなかったので、そこでその名前を初めて目にした。
そのすぐ下にHHKBのキーボードが置いてあったのでそちらを試し打ちしていたのだが、指先の感覚をリセットするためにLofree Flowを叩いてみたら、私がこれまでに経験したことのない音と打ち心地だったこともあり、HHKBよりもむしろこちらのキーを叩く感覚が忘れられず、リアルフォースのキーボードを購入したばかりだったが結局アマゾンセールの時に購入した次第。
2.見た目
私が購入したのはホワイトで、ブラックバージョンもあるらしいがキースイッチが異なり打鍵感が違うようだ。
私が気に入ったのはホワイトの方だったのでこちらを購入した。
ご覧の通り、日本語配列ではなく英字配列なのでその点は注意。
キーの表面はマットになっていて、アルミの筐体に合わせた硬めの質感。
キーボードのキーの裏側とサイドにRGBライティングの機能があるが、よほど暗いところでない限りはほとんどいらない機能なので、私の場合にはすべてオフにしている。
ただ、スイッチが入っているかどうかを示すライト自体はスペースキー下の辺りにあって、こちらは消すことはできない。
もっともこれがなくなってしまうとスイッチが入っているかどうかわからなくなってしまうので、消す必要はないはず。
3.打鍵音(実録音あり)
打鍵音に関しては他のレビュアー(特にYoutubeの方)のやつを見れば伝わりはすると思うが、一応私からもサンプル音をアップロードしておく。
サンプル音は私自身がタイピングゲームを大体20秒間ぐらいやった際の音になります。
まずはLofree Flowの打鍵音から。
次に、比較用としてリアフォR3の静音タイプ。
そもそもキースイッチの方式から商品として目指すべき方向など、すべてが全く違うので音自体が異なるのは当然なので、どちらが良いという話ではない。
ただ、リアフォの音が基本的にはメンブレンをとても良くした感じの音なので、普段普通のキーボードを使っている人としては聞きなれた音となると思うので、そちらを基準に考えると、Lofree Flowの方は石を叩くような独特の打鍵音であることがわかると思う。それほどうるさいわけでもなく、私自身は非常に好みなのだが、人によっては作業時に気になってしまうこともあるかもしれない。
そういう人にとってはリアフォのような柔らかい静音タイプのキーボードが合うはず。
4.打鍵感
打鍵感も音から感じられる通り独特な感じ。
喩えが難しいのだが、碁石でできたタイプライターを叩いているような感覚。
打鍵感自体は硬いわけではないのだけど、公式スペックに書いてある通りキーの荷重が50g前後と、リアフォの45g(標準的な荷重)と比べると若干の重さを感じる感じになっている。
ただ、キーをずっと叩いていてもキーの押し込み自体に力がいるという感じではない。
打鍵自体に重さは感じず、むしろキーがすとんと底まで落ちていくのでタイピング自体は非常に感じよくおこなうことができる。
この独特な感覚は(キーボード素人の私には)他にない経験で、似たようなキーボードから感覚を類推することもできないと思われるので、可能であれば私のように購入前に店頭で叩いてみることをお勧めする。
1か月ほど日常的に使ってみて唯一、少しだけ気になるのは、恐らくだがアクチュエーションポイント(要はキーの押し込みが読み取られる深さ)がかなり浅いところに設定されていて、ソフトなどでは変更不可であるという点。キータイプが正確でない内は結構気になると思われる。
5.キー配置についての注意点
最初に記したように、このキーボード自体は英字配列となっている。
ただ、英字配列とは言っても、使っているPCの言語が日本語である場合にはPC側が通常の日本語配列のキーボードのキー配列を参照するので、たとえ英字配列のキーボードを接続したとしてもキーの配置自体は変わらない。
先ほどの真上からの写真を参照してもらえればと思うが、例えば半角/全角の切り替えについては、日本語配列であれば通常、ESCキーの真下に配置されているはずだが、Lofree Flowのキー表記はチルダ(~)となっている。しかし、キートップの表記がそうなっているだけで、英字配列のキーボードを接続した際にこのチルダのキーを押すと、普通に半角と全角を切り替え可能となる。
なので、ブラインドタッチが出来さえすれば、エンターキーと「」キーの配置が少し特殊であること以外はほとんど日本語配列と同じように入力が可能だ。
しかし逆に言えば、キートップの表記と実際の入力がずれるわけで、例えば@なんかも日本語配列だとPの右側にあるはずだが、英字配列のキートップの表記では「2」キーのshift同時押しの入力となっているため、メールアドレスなどを入れる際に最初は少し戸惑うことがある。
こうした細々とした点について対処するためには、まずは日本語配列で、shiftキー同時押しで表示される約物も含めたブラインドタッチができるようになることが大前提となる。
その点はおさえておきたい。
その上で、それ以外の細々とした使用感を改善するために私がおこなった方法をいくつか以下で紹介する。
私自身はLofree Flowが初めての英字配列キーボードだったので、他にも役立つことがあるかもしれないので、ここ以外にも複数の記事を見ることをお勧めする。
① Microsoft Power Toysを入れてキー配置をいくつか変更する
Power Toysはキーボードの配置だけでなく、ウィンドウの配置の記憶やカラーピッカーなど、ふとした時にこれやりたいけどどうすればよいかわからない、といった点に応える機能を一通り搭載したmicrosoft製のソフト。
その機能の中の一つに、Keyboard Manager(キーボードマネジャー)が存在する。
ここではキー配置の変更や無効化、ショートカットの作成などが可能となっていて、純正ソフトのないLofree Flowのようなキーボードを使う人にとってはありがたい機能が搭載されている。
84キーなのでエンターキーやバックスペースキーのすぐ右に複数のキーがあってミスタイプ時に予期せぬ挙動になってしまったりすることを予防するために、右列のキーのすべてを機能しないようにすることもできます(というか私自身、すえてdisableにしている)。
また、そもそもこのキーボードは英字配列なので、無変換などの、実はよく使うようなキーが配置されていないのだが、無変換についてはキーを指定して復活させることもできる。
よほど英字配列に慣れている人でない限りは、ある程度自分に使いやすいキー配置をてっとり早く作るツールとして重宝することになる。
Power Toysのインストール方法は検索すればすぐに出てくるのでそちらを参照しましょう。
② 言語に「英語(United States)」を追加する
これも英字配列という点で困ることだが、例えばアンダーバー(_)やバックスラッシュ(\)などの一部の半角記号は、日本語の言語だけを読み込んでいると入力できないことがある。
その際には、Windowsの言語設定を弄って新たに英語をインストールしておき、必要に際して英語配列と日本語配列を切り替えるようにすると多少支障がなくなる。
言語がインストールできていれば、Shift+Altで言語切り替えが可能となる。
私自身も簡単なプログラミングなどを書く必要があり、その際にアンダーバーをよく使用するので、英語をインストールして適宜切り替えながらタイピングをおこなっている。
また、英字配列と一致する言語を入れておくことで、キートップで表記されている通りの記号を探しやすくなるので、shift同時押しで出てくる記号の記憶に不安がある場合には、shift+altで言語を切り替えてさっさと入力してしまうということも有力な対処法の一つだと思う。
6.携帯用としての機能
Lofree Flowを購入して以来、デスクトップ環境で使用するだけではなく、外で作業をする際にもこちらを持ち歩いてずっと使用している。
外で使用する際にはBluetoothを使用してPCとの接続をおこなっているが、6時間ほどの作業で電池が切れることはなく、むしろ90%にしか下がらなかった点を考えれば、携帯用のキーボードとして非常に優秀だと思う。
公式情報では40時間もつとのこと。
横幅も実測で315mmなので、持ち運び用としては及第点だろう。
ただ、この大きさのキーボードを入れるためのカバーの選択肢はあまりない。
公式で革製のキーボード入れが販売されているが(Magnetic Envelope Sleeve for LOFREE FLOW 84 Keys)、少々お高め。
私自身はアマゾンで見つけた商品(https://www.amazon.co.jp/gp/product/B09HGXRR5N)を使用しているが、大きさ的にぴったりなので貼っておく。
重量は550gと少し重めだが、これは筐体が全部金属製+バッテリーの大きさを考えればそれぐらいだろうという重さになっている。
この少しの重さを許容できるかどうかは持ち運びをする荷物の量によって人それぞれだろうが、私が持っている中ではロジクールのKX700PG(500g)との比較で言えば、体感ほとんど変わらない。
結局、持ち運び用のキーボードで安定した打ち心地を確保しようと思うとこの程度の重さが必要だということだろう。その辺は良さと重さのトレードオフとして考えるべきでしょう。