メインPC1の構成(2026‐09‐23現在)

目次

 

1.導入

以前の構成は以下。

以前から気づいたら2年も間が空いてしまった。

全開の記録からずいぶんとパーツが変わったので、前回との比較については特にせず、現状の記録をテーマに書いてみる。あくまで私自身のための書き物として用意する次第。

2.構成

よく見ると割と細かい部分が普通と違う

<パーツ構成>

  • CPU:AMD Ryzen9 9950X3D
  • GPU:AORUS GeForce RTX 5090 STEALTH ICE 32G
  • M/B:ASUS ROG STRIX X670E-A GAMING WIFI
  • MEM:Corsair DOMINATOR TITANIUM DDR5 64GB(16GBx4 DDR5 7200MT/s CL34-44-44-96 1.45V White)+ フィンアクセサリーキット
    (←実運用上は、6000MT/s, CL30-36-36-96-144, 1.3Vです)
  • SSD:Western Digital Black Sn8100 1TB 2TB、Lexar NM790 4TB
  • COOLER:Arctic Liquid Freezer Ⅲ 420
  • PSU:SUPER FLOWER LEADEX VIII PLATINUM PRO 1200W White
  • CASE:Corsair 7000D Airflow Tempered Glass White
  • FAN:Thermalright TL-B14W Extrem×7(前面、天面、背面)|Thermalright TL-H12W-X28×4(側面)|Thermalright TL-B14015 EXTREM×2(底面)|Arctic P14 Pro A-RGB×3(天面)|Arctic P12 Pro Reverse A-RGB×1(GPU上)
  • LANcard:Intel X550-T2

3.各パーツ簡易レビュー

上記のパーツで思うところを書いてみたら、思った以上に長くなってしまったので、上の目次で読みたいものだけを読むことを推奨します。あくまで私が私自身のために残すメモ書きのようなものなので、その点は諦めてください。

リンク先は、アマゾンに指定したらなぜか画像が出てこないので、なるべく商品画像がこのページに掲載できるリンク先を提示した。リンク先がまちまちなのはそのせい。

特にアフィリエイトとか登録しているわけじゃないので、商品イメージさえ掴んでもらえればそれでよいという感じで置いている。リンク先が販売ページであっても在庫なしの場合があるのはご容赦くださいませ。

CPU:AMD Ryzen9 9950X3D

shop.tsukumo.co.jp

言わずと知れたAMDのハイエンドCPU。

自作PCを始めたのがZEN3世代の5900Xからなのだけど、それ以降、基本的にはメインで使用するPCには多コアCPUを使用し続けている。

と言っても、このコア数を普段から使い切るような作業をおこなっているわけではない。最近は少しずつプログラムを回したりし始めているのだけど、いちばん大きく関係ある作業は基本的にOSの更新とゲームのシェーダー読み込みといった感じで、特段ハイエンドを必要としているわけではない。

要はファン製品として購入しているということだ。ただ、サブPCで6コアや8コアのCPUを使用しているが、本当に日々の細かい挙動とかでごくたまにもどかしさを感じるような場面がある。

もっとも、この辺の挙動の違いは基本的にはクロック周波数の違いによるところが大きいと思う。実際、私が今サブPCで使用しているRyzen7 9700Xのクロックは、ベースクロックが3.8GHz、最大ブーストクロックが最大5.5GHzである一方、Ryzen9 9950X3Dのクロックは、基本クロックが4.3GHz、最大ブーストクロックが5.7GHzなので、特にベース周りの軽い負荷の作業での違いが出てくるのだと思われる。

ただその分、アイドル時の温度は少し高め。軽負荷時と併せて、基本的には私の環境で50℃周辺で推移している。もちろんメモリをOCしているので、その分温度が高いのだが、メモリOCを標準に下げても2℃ほど下がるぐらいなので、基本の温度がそもそも高めであると言えるだろう。

メモリOCをしたまま条件をいろいろと変えて温度が下がるか試したのだけど、動作クロックを落とさない限り温度を下げることが難しかった。デフォルトで運用する場合には、基本的には少なくとも45℃以上となることは覚悟しておくとよい。と言っても、基本的にベースが50℃前後であっても何かが故障しやすくなるというわけではないので、温度自体は特に気にする必要はない。

むしろ中~高負荷時に注目すると、強めのクーラーを搭載しているというのもあるが、基本的には80℃を超えることがないので、ハイエンドとしてはむしろ低めと言える。個人的にはアイドルの温度が高いかどうかより、その辺の取り回しの良さを買っている。

 

ちなみに、9700Xにももちろん良さはあって、個人的には消費電力との兼ね合いから言って、個人的な好みとしてはむしろ9700X>9950X3Dとなる。次世代のZEN6からは1CCD=12コアとなり、それがRyzen7の枠になるはずで、ハイエンドのRyzen9だと恐らく2CCD=24コアとなるので、今世代ZEN5のバランスのとり方から見て、これだったら次世代はRyzen7でもいいかなという気持ちになっている。

もちろん24コア48スレッドのパワーも気になるけど。。

GPU:AORUS GeForce RTX 5090 STEALTH ICE 32G

www.aorus.com

購入当時は40万円台だったのに、2026年8月現在、いつの間にかほぼ100万円になっている、いまをときめく最恐のPCパーツ。

とにかくまず筐体が大きく、それだけで本来自由であるはずの自作PCに大きな制限がかかるので、単純に作ること自体にこだわるのであればあまり好ましいパーツではない。

ただ、実はRTX5080もほぼ同じ筐体を使用しているメーカーが大半であり、あるいは5070TIであっても似たような大きさであるものすらある。少なくとも最新世代GPUのハイエンドに近い機種は、どれも大きさがパーツ選択の自由度を奪うような感じになっており、2ファンモデルがそもそも希少なものとなっている。

5090はこのような自作PCの不自由さを要求する代わりに、PC内でやろうとすることはたいてい何でもできるという自由度を手に入れることができる。5070TIから上が基本同じ筐体の大きさで不自由さが同じなのであれば、PCでできることの自由度が高いほうが当然良い。

その最もわかりやすい対象がゲームであり、よほど重いゲームでない限り、4Kゲーミングでの不自由はない。また、最近はLLMをローカルで回したり、生成AIを用いたいくつかの作業において、GPU、それもメモリ量やメモリ帯域幅が非常に重視されていることもあり、その方面から見るとRTX5090はコンシューマ向けのGPUとして(RTX PRO 6000 Blackwellというほぼエンタープライズ向けのGPUを除けば)VRAM32GB、メモリバス幅512bit、メモリ帯域幅1,792 GB/secという唯一無二の性能を誇っている。

私も購入した当初はそこまでフル稼働させる予定があったわけではないが、徐々にではあれ、それらの作業にこのGPUを用いることが増えてきているので、徐々にスペック通りの性能を体感しつつある。

……というスペックに関してはいくらでも語れるが、もっと詳しく、また上手に語れる人がいくらでもいるので、この辺までにしておく。

 

それとは別に、GIGABYTEのこの筐体自体の話をするとすれば、まずこのGPU、クロックの数値が平均的に高く設定されているようで、冷却と消費電力のバランス次第では3000MHzを容易に超えてくる。

実はこの筐体を購入する以前にもZotacで5090を購入していたのだが、その筐体で3000MHzを超えることはまずなく、2900MHzを超える辺りがせいぜいだった。この100MHzの差が筐体の大きさ(=冷却性能の向上)や値段の差にもつながるわけだ。

zotac.co.jp]

ただ、100MHzの差がどれほどのものかというと、もちろん性能差はその分だけ変わるが、体感として現れるのはせいぜいゲームで1%lowの値が安定してゲームプレイがより快適になる、というぐらい。

むしろ私が注目したのは、(極めてミーハーだけど)白い5090であるという点。

少なくとも日本での販売網での話だが、5090で白筐体はかなり種類が限られていて、GIGABYTEのこの製品かASUS、ZOTAC、ELSAぐらいだった。もちろん海外からの取り寄せという手もあるが(RTX4090の時はその手段を選んだ)、高い買い物になるということもあり、よほどのことがない限りあまり選びたくない手段ではある。

 

紆余曲折あってこの筐体を手に入れたのだが、まず面白かったのは、GIGABYTEのこの筐体はZotacのものと比べても一回りほど大きかったところだ。つまり、5090全体で見ても大きい、というかほぼ最大の大きさということになる。その成果はベンチマークなどで確認できた。多くは語らないが、先のZotacと同程度か少し下回る程度の平均温度であった。

また、グラボの基板側に追加ファンの設置機構がある点も面白かった。これ自体はすでにRTX3000番台でGALAXが採用していた機構なので、5000番台となった今では別段珍しいものではないが、筐体が大きくなりすぎた結果、市販の120mmファンを普通に設置できるようになっていて、結果的に良く冷えてより静かなファンを自由に採用できるのが個人的に嬉しいポイントだった。現在はこの場所にArcticのリバースファンを使っているが、付属のファンよりも冷却性能が向上した。

また、この筐体はケーブル隠しとして、この追加ファンの直下に12+4pinのソケットが用意されていて、この機構によって12V-2x6ケーブルのコネクタ部分がきちんと冷却される仕組みになっている。

画像出典元:https://www.gdm.or.jp/gigabyte-stealth_37

この画像はエルミタージュのレビューからの引用だが、この画像だとケース側面からの吸気がちょうどサイドから吹き込むような形になっているが、私の使用しているケースも同様の形になっていて、このケーブル上部に追加ファンを設置すると、サイドからの外気がほぼ直接ケーブルのコネクタ部分を冷やすようなエアフローになる。

実際にGPUをほぼ100%使い切るようなゲームの稼働中にコネクタ部分を直接触ったところ、以前使用していたZotacのコネクタ部分とは比べ物にならないほど冷えていた。ぱっと見では直下のヒートシンクからの熱が上がってきて余計に熱をもらうような気がしていたが、サイドからの吸気があれば十分以上の冷却ができるということを学んだ。

 

もちろん、本来の私の目的である白色筐体として見ても、とてもきれいな白色をしている。全体的に角ばった形状であることも相俟って硬質な白のイメージが保たれていて、ICEの名を冠するにふさわしい。白にもいろいろな白色があるが、私が使用していた白パーツは基本的に寒色方向の調整がなされた白色が多いので(日本の白色はその味付けが好まれるらしい)、それと筐体の色、形状とがよく合致していた。この点に関しては申し分なく素晴らしい。

 

ギガバイトはソフト面では色々と不足がある……というよりあまりにも使いづらく、安定性にも欠けるので基本的には使用しないが、少なくともGPU筐体に関しては非常に良質なものが多いので、今後も期待したいところではある。

M/B:ASUS ROG STRIX X670E-A GAMING WIFI

rog.asus.com

最新世代のチップセット(X870E、X870、B850等)から一世代分前のチップセットを採用したボード。

前世代のZEN4のときから継続して使用しているが、その理由は、単純に新しいチップセットのマザボに換える理由がなかったから。

最新世代のチップではUSB4への対応を優先したこともあり、その分そのほかのレーン数へのしわ寄せがどうしても発生してしまう。確かにPC周りのガジェットの現状に鑑みれば、例えば外部接続のキャプチャボードでも4K120Hzの対応が増えてきていたり、あるいは単純に外部ストレージとしてのSSDの対応速度もThunderbolt4基準(40Gbps)のものが増えてきたりと、より高速な転送速度が求められ始めていることは承知している。

ただ、私自身はPCIeレーンがあれば積極的に活用したいタイプ、というか実際にそのように運用しているので、レーン数が限られてしまう仕様変更は受け入れられなかった。またレーン配分以外のアップグレードも特に感じられなかったし、このボード自体もハードとしては十二分に堅牢な造りだったので、この世代のボードはスルーすることにした。

最新世代のマザーボードでは基板そのものが白塗装されているものが非常に多く出回っていて、確かに綺麗だなとは思う。ただ、マザーボードのI/O周りは、PCの外部接続の環境を決定してしまう程度には影響が大きく、私としてはさすがに使い勝手を落としてまでマザーボードを入れ替えるような選択は難しかった。

次世代ではI/Oチップにもテコ入れがあるらしく、インテルに倣ってだいぶ改善されるらしいので、次世代のマザーボードが出たら買い替える予定。

MEM:Corsair DOMINATOR TITANIUM DDR5 64GB(16GBx4 DDR5 7200MT/s CL34-44-44-96 1.45V White)+ フィンアクセサリーキット

www.corsair.com

次世代ZEN6のCPUを見据え、このぐらいのOCであればいけるやろ、というぐらいのノリで、メモリ価格高騰前に将来を見越して買った。

ただ、16GB×2だと使い方的に少し足りなかったので、現状では4枚挿しをして6000MT/sのCL30、1.3Vの辺りで回している。DDR5の出始めの頃には4枚挿しはほぼNG扱いだった記憶があるが、実はこのボードでZEN4時代のときにも4枚挿しを今と同じ程度のOC(ただし、タイミングはもう少し緩め)をダメ元で試したところ、すんなりテストも通過して安定稼働できた。

以前試した感じだと、1rank品だと4枚挿しでもOCでそこそこ安定感があったが、2rank品の32GBだと4枚挿しでまったくOC耐性がなかったので、使用されているチップのランクが大事かもしれない。

現在であれば、使用用途によってはクロックの高さよりもメモリ容量のほうが重視されることもあるので、4枚挿し128GBなどでも4800MT/sで回れば十分であると思う(ただし4枚挿しのネイティブクロックは3600MT/s)。ただ、メモリがシングルランクかデュアルランクかでOC耐性がまるで違うので、もし4枚挿しで容量をなるべく多く、かつ帯域も併せて重視するのであれば、なるべくSR品を購入する必要があるだろう。

 

ちなみに、このメモリは頭のARGB部分が交換可能で、私はARGBの代わりに冷却フィンを換装した。

www.corsair.com

高級メモリということもあって、下部のヒートシンク部分の冷却性能自体も高いのだけど、フィンアクセサリに換装したところ、同条件で7~8℃ほど下がった。私自身は、筐体の色はある程度こだわりがあるが、ARGB自体には実はそれほどこだわりがない(というかまったくない)ので、冷却性能が高くなるのであればそちらを優先する。

このフィンに加えて、トップからの吸気を合わせれば、AAAタイトルゲームをぶん回していても、40℃を少し上回る程度で収まるぐらいには冷える。少し話題から外れるが、色々とエアフローを実験したところ、CPU+GPUの冷却的にトップ吸気が実現できるケースであれば、メモリとVRMも併せて冷却できるので、もしそのつもりがあればぜひ試してみてほしい。

SSD:Western Digital Black Sn8100 1TB, 2TB、Lexar NM790 4TB

www.sandisk.com

amzn.asia

Gen5のSSD自体にはもともと興味がなかったのだけど、価格上昇からの回復の目途が立たないという情報があった段階で、次世代のCPU・GPUの換装など諸々を考えて、購入時点でもっとも性能が高かったWestern Digital(現SANDISK)のSN8100を用意した。

とはいえ、購入時は体感ほとんど変わらないのではとあまり期待せずにいたのだけど、実際に使ってみると割と細かなファイル移動などでの挙動の良さを体感できた。CPUと同じで、実際に使ってみることでハイエンドとそれ以外の違いが見えてくることもある。いまだに自作PCをやっている理由のひとつでもある。

ちなみに1TBがOS用、2TBがバックアップ兼データ保管用、4TBがゲーム兼データ保管用という形で緩く使い分けている。

COOLER:Arctic Liquid Freezer Ⅲ 420

shop.tsukumo.co.jp

購入当時は待望だったLiquid FreezerⅡの正統後継品。

ラジエータ厚は前作から変わらず38mmと通常品よりもずっと分厚く、ファンの静圧性能が高い分だけ冷却性能も高くなる。現在ではファンを改良したLiquid FreezerⅢ Proシリーズが発売されているので、リンク先はそちらを掲載している。

私自身もファンを換装し、ArcticのP14 Proと、ThermalrightのTL-B14W EXTREMとでラジエータをサンドイッチする形で運用している。

shop.tsukumo.co.jp

amzn.asia

今ではケーブルレスのファンが各社から発売されていて、ラジエータ用のファンにケーブルがなく専用の端子が付属しているものも増えてきているが、個人的にはラジエータでの使用以外の汎用性を求めたいので、相変わらずケーブルのあるものを利用している。

話を水冷のラジエータに戻すと、ファンをサンドイッチする形で運用するには、当然ながらケースの内部空間の余裕が必要となる。現在、私はこの分厚いラジエータの前後にファンを搭載しているので、正味90mm強(38+25+28=91mm)の厚さとなるが、これをケースのトップに搭載している。

特にケースのトップ方向は、これを搭載できるほどの余裕のある空間を持つものはなかなかない。後述するが、私が使用しているケースはコルセアの7000Dで、購入動機の一つとしてこのトップ方向の空間の広さが挙げられる。現在はその余裕ある空間を利用して、人から見れば恐らく特殊なエアフローを構築している。

これも当然だが、ラジエータ厚を十分活かす状態にできるならば、冷却性能はこれまで発売されたCPUクーラーの中では随一を誇る。

PSU:SUPER FLOWER LEADEX VIII PLATINUM PRO 1200W White

shop.tsukumo.co.jp

基本的に電源は安心を買うもので、安心を買うということは保守的な判断をするということだ──

私が自作PCを始めた当初、自作PCに詳しい友人に対してパーツについて尋ねた際、勧められた教えのひとつだ。そして、私はその判断は間違っていないと思い、これまで忠実にその教えに従っている。

それに併せて勧められたのがSuperFlower、通称“超花”の電源。初めてここの電源を買って以降、常に情報は追っているが、悪い情報は出てこないので、必要に応じて超花の電源を購入し続けている。

この電源は5090の購入に合わせたもの。もともとはLEADEX VIIのGOLD電源1300Wを購入していたが、こちらはATX3.0までの対応だった。LEADEX VIIIはATX3.1に対応している。もっとも、両者に基本的な違いはない。ただ、最初の教えに従い保守的な判断をするのであれば、より事故の起こりづらい規格を優先するべきである。すでに電源容量としては十分だし、わざわざ買い替える必要性があるか迷ったが、結局は保守的な判断を優先した。

現在はこの電源に加えて、コルセアの焼損防止用のスリーブケーブルを利用している。

www.corsair.com

 各社から焼損防止用のケーブルが出ているが、コルセアのこの製品が最も原始的で信頼できる解決方法を示していたので、こちらを選択した。

 

ちなみにこの電源自体の特徴を言うと、奥行きが120mmというSFXを思わせるようなコンパクトさが際立っている。

超花ではLEADEX Vで奥行き130mmを達成しているが、このシリーズでは唯一最大の欠点として、電源スパイクに対する耐性が低いということが指摘されていた。いわゆる“良い電源”とされるものでは、基本的にスパイクに対して容量の2倍程度耐えうる設計になっているが、確かLEADEX Vでは1000W容量に対して1200Wか1300Wまでしか対応していなかったはず(うろ覚え)。

それに対してLEADEX VIIIについてはその点特に問題になっていない。電源の後ろ部分の空間は、HDDを搭載するのでない限り、特にコンパクトケースに使用する際のケーブルスペースとして有効なので、その点非常に有用だ。

だが、もちろん小さいとその分冷却ファンが小さくなるわけで、冷却能力と静音性の両立が難しくなる。この製品は各種認定を見ても基本的に変換効率が高めなので、熱の発生が抑えられているはいるが、そもそもの電源容量が大きいので高負荷時にはそれなりに発熱する。超花はその辺の冷却周りについて、伝統的にファンの静音性の制御に苦しんでいたのだが、特にLEADEX VII以降は及第点という印象。VIIIを使用していても、使用時に特に気になるような音はしない。というか、ほとんどの場合他の部分の音のほうが大きいので、たとえ多少のファンノイズがあったとしても耳につくことはない。

とはいえ、ファンが大きいに越したことはないというのは事実なので、他の通常の大きさの電源と迷うようなら、特別な理由がない限りこちらではなく大きな筐体のほうを選択することをお勧めする。

CASE:Corsair 7000D Airflow Tempered Glass White

www.ark-pc.co.jp

水冷クーラーの説明の段階ですでに触れたが、購入当時の将来性を買ってこの商品を選択した。

基本的にケースは大きければ大きいほど良い。搭載することのできるパーツも、ケーブルの取り回しも、エアフローも、ケースが大きければその分より良い選択が可能となる。

無論、よりケースを小さくして、コンパクトな空間の中にできる限り高性能なパーツを詰め込む、ということに価値を見出す人が一定数居ることも把握しているが、それは言ってみれば縛りプレイの範疇の話だ。最大性能を最大現発揮できる環境を整えるのであれば、空気はより多く取り込まなければならず、そのためにはエアフローに余裕を持たせる空間が必要で、より多くかつより大きなケースファンを使用しなければならない。空冷クーラーも水冷クーラーも、より高い冷却性能を発揮したいのであればより大きな装置が必要となる。

……すべてを満たすために、ケースがより大きくあるべきだということは自明だ。

 

ただし、PCケースというのは、他のパーツとは違い、もう一つ別のことを考えなければならない。それは、ケースを据え置く居住空間についてである。

簡単に言えば部屋の大きさ、あるいは余裕だ。こと自作PCをおこなうにあたっては、パーツをケースの中に据え付けたり、もしものことが起きた時のためのメンテナンススペースも必要となる。

そう、PCケースだけは、他のパーツとは違い、自分の生活空間のことを考慮しなければならない。

PCケースを置くスペースも含めて、PCをうまく運用するための余裕と照らし合わせて、初めてケースの大きさは決まってくる。もちろん、ある程度生活空間を犠牲にしてまで大きなケースを買って、自分の満足のいくパーツをできる限り搭載したいという欲求もありうるが、基本的には自分の生活空間のなかでPCに使用できる空間には制限があるだろう。

ケースは、中に何を詰めたいのか、ということと、外でどう生活したいのか、の2点を反映した、自分の必要と欲とのせめぎあいの中で決定されるものだ。

ケースが他のパーツとは違う、自作PCでも少々特殊なパーツなので、特に達成したいことを見つめつつ選択するとよいと思う。

FAN:Thermalright TL-B14W Extrem×7(前面、天面、背面)|Thermalright TL-H12W-X28×4(側面)|Thermalright TL-B14015 EXTREM×2(底面)|Arctic P14 Pro A-RGB×3(天面)|Arctic P12 Pro Reverse A-RGB×1(GPU上) 

現状ではサーマルライトとアークティックの2社のファンを使っている。それぞれで使用している方法が違うので、製品を設置している場所とその意図について簡単に記す。

エアフロー設計概要とちょっとした考察

それにあたって、まずはケース全体のエアフローについて、冒頭のケース内画像に色分けを施して以下に示す。

ケース全体のエアフロー図。大まかに、緑が吸気、赤が排気。

大まかに言えば、上下で吸気をして前後上部に排気を流すという設計になっている。このようなコンセプトにした理由は、マザーボードの各種装置を冷やしたいから。具体的には、マザーボードの上部はトップに配置されている水冷クーラーのラジエーターを通した空気によって冷やし、マザーボード下部はケース下部からの吸気によって冷やすという設計だ。

前から後ろに空気を流す従来のエアフローでは、特にリア(とトップ)に流れる空気はGPUによって熱せられていて、フロントからの吸気程度ではあまり冷やすことはできない。特に昨今の大型GPUではもれなくGPUの天面側に大型の排気口が用意されていて、そこから熱気が直接上部に上がってくるようになっているため、その直上にあるメモリもその熱に熱せられてしまっていた。

これを解消するために、トップを排気ではなく吸気にするというのがミソ。もちろん水冷のラジエーターを通した空気は外気よりは幾分か温度が高いが、GPUの熱よりははるかに低く、マザーボード上の熱源に対しては十分な冷却が可能だ。また、大型GPUであれば、ケース内空間の下部と上部をその筐体自体で分け隔てるので、下部と上部とでエアフローを分断できる。

悩んだのは排気ファンの数だ。現状、排気ファンはフロント上部の1基、サイド上部の2基、リアの1基の計4つで、吸気の全7基(フロント下部2基、サイド下部2基、トップ3基)と比べるとずいぶんと少ないように思える。しかし、例えばサイドを3基排気に回したり、フロントの排気を上部2基にしたりと色々実験したが、比較した結果、この配置が最も冷えた。実験を比較したところ、このエアフローの場合、吸気がこれ以上減ってしまうと外気の取り込みが間に合わないような挙動になっていた。

恐らくだが、ケース内空間がGPUで上部下部に分かれた結果、特にリア下部のスリットから空気が漏れていってしまう分があり、それを正圧を高めることで補わないと外気の取り込みが間に合わなくなるというカラクリになっているようだ。

一方、排気はこの4基の配置で十分間に合っているようで、逆に排気ファンを増やしても吸気が足りず、内部の熱気が十分に排気されないという状態になっていた。4基で足りる理由は、恐らくだが、GPU上部に配置された追加ファンがGPUの熱気を予想以上に引っ張っていて、その熱気をフロント+サイドの計3基が排気することで、リア1基のときよりも効率的に熱が外に放出されている、といった感じだ。ただ、リアが要らないというわけではなく、リアを吸気にしたところ、今度は排気が間に合わなくなった。GPUの筐体が前後に長いため、どちらか片方に排気を寄せてしまうと、もう片方の熱がケース内に籠ってしまうようだ。

私としては、GPU上部の追加ファンがGPUの熱を予想以上に持って行ってしまうということがわかったことが一番の収穫だった。特にハイエンドGPUでは今後、ボード上部に排気用の追加ファンが設置されることが増えていくと思われ、その設計に合わせた新しいエアフローが必要となると考える。

このエアフロー設計にしたところ、特にマザーボード上部のVRMとメモリに関しては冷却の向上が顕著に見られ、vrmは10℃、メモリは15~20℃ほど温度が下がった。一方、マザーボード下部のチップセットやSSDの第1スロット、つまりOS用のCPU直結レーンのスロットに関してはあまり冷却の向上が見られなかった。これはGPU筐体が大きすぎて、ケース下部からの吸気がうまくボードにあたっていないことが予想される。もっとも、こればかりはGPUの大きさをどうにかしない限り仕方のない面がある。GPUを縦置きにするにしても、結局GPUの背面に大きく開けられた通気口からGPUの熱気がじかにマザーボードにあたるので、普通に設置するとき以上に熱くなることが容易に予想できる。なので、現状ではこれ以上の回答は出てこないだろうなと思っている。

 

……少し長く喋りすぎてしまったので、以上を踏まえて各ケースファンについてちょっとずつ説明する。

Thermalright TL-B14W Extrem

www.pc-koubou.jp

フロント3基、トップ3基、リア1基の計7基を使用している。

もともと140mmの高性能ファンの中でも静音性と風量・静圧のバランスがとてもよかったので、7000Dのケースを買って以降長らくこちらを使用していた。

待望のアークティックのP14 Proが登場したので換装しようと思ったのだが、P14 Proが思う以上にケース設置時のノイズがひどい個体が多く、まともに使えそうなのが7基中3基ぐらいと品質の差があったので、結局元に戻して今に至る。

トップに関しては25mm厚という点が重要で、P14 Proは28mm厚であったためにラジエーター前後でサンドイッチ配置にすると、マザーボード上部のCPU電源接続部分に余裕がなくなってしまい、電源ケーブルが設置できなかった。現在はラジエーターの吸気方向にTL-B14W Extremを、ケース内の排気方向にP14 Proを設置している。たった3mmの違いだが、この3mmがケーブルの取り回しに決定的な影響を及ぼした。

単純な風量・静圧の面だけで見るのであれば最近はいくつかより高性能なファンが出てきているが、特にケース設置時のファンノイズの質という面で言えば、TL-B14W Extremのバランスの良さを上回るような製品はまだ出てきていないように思う。

“ケース設置時のファンノイズの質”というのが厄介で、単純な騒音値では測れず、またケースの品質によっても割と異なってくる部分が大きく、マイクに載せるにしてもうまく録音できた試しがない……と、なかなか客観的なレビューの難しいものなので、結局自分の環境で自分がどう感じるのか、を試すよりほかない。上記の“TL-B14W Extremのバランスの良さを上回るような製品はまだ出てきていない”という考えも、基本的には“私の環境下で”という注釈がついてしまう。

ケースファンはレビューが本当に難しいパーツだと思う次第。

Thermalright TL-H12W-X28

www.thermalright.com

同じくサーマルライトの28mm厚120㎜ファン。サイドに4基使っている。もともとはTL-B12Wを使っていたのだけど、サーマルライトが28mm厚のファンを出すということで、興味本位で換装してみた次第。

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はっきり言えば、取り立てて何が変わったと感じたことはない。今ではサーマルライトから後継のTL-H12W-X28-R7やTL-H12W-X28-R9という製品が出てきていて、こちらはブレードがリングブレードに改良された上、回転数が2400rpmまで高められているので、今買うのであればこちらを選択すると思う(というかもう買った)。

www.thermalright.com

www.thermalright.com

ただ、変わらない、ということは、相変わらず高いクオリティで製品が作られているという証でもあるので、私自身は満足している。

Thermalright TL-B14015 EXTREM

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15㎜厚の140mmファンという、特定の受容を満たす製品。マザーボード下部の各パーツを冷やすために、GPU直下の空間に設置している。

これまで140mmの15mm厚ファンは、長らくArcticのファンが唯一の選択肢だったが、サーマルライトが設計を新たに高級ファンとして製品化したもの。15mm厚だが、2600rpmまで回るため、風量・静圧とも25mmのファンと遜色のないスペックになっている(92.3 CFM (MAX)、2.01 mm H2O (MAX))。

ただ、私が驚いたのは風量・静圧ではなく、ノイズのなさ。本当に静かで、マックスまで回しても、今回紹介するどのファンよりも静かだった。取り回し、風量、ファンノイズどれをとっても、ここ数年の中でいちばんの製品だと個人的に思っている。

ただその分お値段は高め。また、購入は日本国内だとアリエクに限られるため、他のファンに比べて若干購入難易度は高め。

Arctic P14 Pro A-RGB

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Thermalright TL-B14W Extremの説明の中でも書いたのだけど、期待を込めて7基買ったところ、個体によってノイズの差が大きく、まともに使えそうなものが半分以下だったため、現在はラジエーターにつけた3基以外は死蔵してある。P12 Proと設計はほぼ同じであるということがおそらくは最大の失敗点になっていると思う。フレームの強度とか、リングブレードのリング部分の騒音の大きさとか、たった2cmの大きさの違いが結果的に中~高回転時の品質の安定性を損なっているのかもなぁ、と使っていて思った次第。

Arctic P12 Pro Reverse A-RGB

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P14 Proの印象の悪さに対して、こちらのP12 Pro Reverseの出来は非常に良いと感じた。いまはGPUの追加ファンとして使用しているが、高回転にしてもノイズが耳につかない。調べたところ、どうもReverseのほうは通常のファンに加えて更にエッジ部分に工夫を施しているとのことで、よくわからないがReverseのほうが通常のものよりもこだわりがありそう。

本当はこのARGBのないバージョンがあったら吸排気用にも使ってみたいのだけど、残念ながら発売される気配がないので断念している。120mmファンはいま本当に競争が激しいのだが、費用対効果という面ではarcticは抜きん出ていると思う。

LANcard:Intel X550-T2

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メインPCの中で唯一の中古製品。

マザーボードに使用されている有線LANカードが非常に悪名高い例のアレだったので、余らせていたPCIeレーンを活用して設置した。10G LANじゃなくてもよかったのだけど、たまたまパソコン工房でジャンクで安く売りだしていたので購入した。

前評判通り発熱が高めだったが、上記のTL-B14015 EXTREMを設置して冷やしているので特に不安定になることもなく使用できている(というかこのカードを設置したせいで15mm厚のファンを使用する必要が生じた)。

余談だが、去年話題になった、Realtek8127チップを搭載した10G LANカードも持っているけど、こちらは発熱という面では比べ物にならないほど低い。また、必要となるレーンもPCIe4.0×1なので、最新のミドルレンジのマザーボードであれば普通に設置できるはず(ただしレーンの仕様をよく確認しておくこと。マザーボードによって設計がまるで異なるので)。

ドライバーはどちらも安定しているのだが、今から買うのなら、よほど2ポート必要というのでない限りはRealtek8127チップ搭載のボード一択なのではと思う。旧玄人志向、現Crowxisでも売っていたので、リンクはそちらを掲載しておくが、ノーブランドの製品でもアマゾンである程度信頼できるものが売っているので、安い方を購入すればよいと思う。

www.1-s.jp

4.全体の所感

なんかスペックが妙に高くなってしまったのが心残りではあるが、逆に言えば、一回ここまでのものを組んでしまえば、あとは自分が本当に満足のいく構成で組むことができると思うので、一度は経験しておいてよかったかなぁという印象。

もちろん各パーツの高騰前にすべてを揃えているので、今この構成を用意できるだけの胆力(と予算)ははっきり言ってない。

もともと自作PCは5年前にZEN3で組んだ時から始めたのだけど、その時にはここまではまるとは思ってなかった。そして今でも、なぜここまではまっているのか、自分自身でも理解できない。

本当に趣味になるものというのは、自分自身でもその欲求を理解できないままに手や足が動いてしまうものなのかもしれない。

今年のキーボード振り返り

とりあえず今年買ってカスタマイズしたキーボードを、備忘録として記録に残しておくことにしよう……と決めてから買った数を数えたら、全部で17個。

でも、楽しいからよからんなのだ。

これに加えて、割と頻繁にキースイッチやキーキャップを替えてしまう性質なので、今所持しているほとんどの筐体にカスタムが加わっている。これからもどんどん手が加わっていくことだろう。

というわけで、2024年12月時点で各筐体がどのような構成であるのか、キースイッチとキーキャップ、それに打鍵音を併せて掲載して、個人用アーカイブとして記録しておくことにした。

この記事が何かの拍子に、キーボードカスタマイズに興味のある人にも役に立てば幸いです。

 

録音環境は以下。

・マイク:DR-07X

・ソルボセイン、静振ゴム使用

あえて吊るさないことで、筐体の衝撃吸収の度合いがわかったので、割と収穫が多かった。

以下、

  • 現在の見た目の画像
  • 筐体名
  • 所感
  • キースイッチ
  • キーキャップ
  • 打鍵音

のセットで紹介していく。

ちなみに並び順は好み順というわけではなく、なんとなく似たような打鍵音のものを隣同士にしてる感じ。

あと、デフォルトのキースイッチやキーキャップその他を変更している場合には、筐体名の横に「(カスタム)」と記しておく。

また、キースイッチやキーキャップは、変更なしの場合にはdefaultと表記し、変更のあるものについては製品名をそのまま記す。

 

目次

① 通常のメカニカルキーボード枠

個人的メモ:私個人の好み、というかタイピングの癖と言えばいいのか、なぜかCherry Profileのキーキャップが合わないということがあり、今回紹介するキーボードもけっこうな割合でキーキャップを別のプロファイルに交換している。

●Epomaker Aula F75(カスタム)

これからもキーキャップ、スイッチともどんどん変わる予定

所感:最高にちょうどいいメカニカルキーボード。買ったままでも十分に良いし、カスタマイズにもよい反応を返してくれる。まずこの筐体からメカニカルキーボードに入れば色々と楽しめるはず。

・スイッチ:Bsun Strawberry Bear Swtich

・キーキャップ:Keychron OSAプロファイル

・打鍵音:

●Epomaker Galaxy70(カスタム)

元のキーキャップは側面印字なのと白→水色のグラデーションなのでとても綺麗

所感:個人的最高級キーボード(値段にかかわらず)。買ったままでほぼほぼ完成している。その分、カスタマイズする際は自分のそれまでに蓄えた知見が問われていた……気がする。一番のお気に入り。

・スイッチ:HMX Xinhai Switch

・キーキャップ:Ocean Party Keycaps

・打鍵音:

●Nuphy Gem80(カスタム)

ちなみに本国公式から購入したほうが2万円ほど安い

所感:最初に買ったメカニカルキーボードにして個人的最高峰。キーボードにおける自分の打鍵感・打鍵音の判断基準は常にここだったが、最近ようやくキースイッチをカスタマイズする勇気が出た。あと個人的にはNuphyのmSAキーキャップの良さも光る。

・スイッチ:PH Studio Little Rabbit Linear Switch

・キーキャップ:Nuphy Gem mSAプロファイル

・打鍵音:

●Zuoya GMK70(カスタム)

思った以上に違和感なく使えた

所感:分割キーボードというものを知りたくなり、手ごろな価格のものを探していた際にアリエクで見つけたベアボーン製品。価格が安い分、フォームなどが恐らく簡易的なものになっているので、良い音を出すにはスイッチを選ぶ。ただ、打鍵感はどのスイッチでも悪くない。

・スイッチ:YG Studio HMX Canglan V2 Linear Switch

・キーキャップ:Keychron OSAプロファイル

・打鍵音:

●GravaStar Mercury K1 Lite

ほれ、美しかろう?

所感:色物と思いきや、上記のGalaxy70にも劣らない打鍵感・打鍵音。デザインの分、若干取り回しがしづらいけどそれも含めて愛でることのできる筐体。カスタマイズせず一台で完結させるつもりなら個人的イチオシ。デザイン自体もザハ・ハディッドの建築を思わせる造りでよい。

・スイッチ:Default(GravaStar x BSUN Custom Linear Switch)

・キーキャップ:Default(Cherryプロファイル)

・打鍵音:

●Wobkey Rainy75 Lite(カスタム)

R2-D2仕様のキーキャップがとてもよい

所感:カスタマイズしすぎた結果、中身が完全にProになったやつ。いくつもコトコト音系のキーボードを買ってみたけど、いまでも唯一無二の打鍵音を出していると思う。打鍵音の本当の特徴は微妙な擦れ音にあり。

・スイッチ:JWK WOB Linear Switches

・キーキャップ:NovelKeys R2-D2

・スイッチプレート:FR4

・打鍵音:

●Royal Kludge M87(カスタム)

左上のスイッチ類と右上の二つのダイヤルがチャームポイント

所感:ファミコンカラーに魅かれて買ったやつ。デザインによく合ったプラスチック音が特徴。ただ、これに合うスイッチを探すのにもわりと苦労した。

・スイッチ:Yunzii Milk Linear Switch

・キーキャップ:MAMBASNAKE ASAプロファイル

・打鍵音:

●Weikav RecordAlice V2(カスタム)

ほれ、美しかろう?(第二弾)

所感:Alice配列というものがどういうものか知りたかったので買ったベアボーン製品。KeyreativeのGestaltを見て、このキーキャップはこの筐体のために生まれてきたのではないかと思ったほど見事にマッチした。プレートが柔らかめなので、しっかりと音を出すタイプのスイッチと相性が良い。

・スイッチ:EPOMAKER Jade Blossom

・キーキャップ:Keyreative Gestalt PBT Cherry Profile Keycaps

・打鍵音:

●Weikav Lucky65 V2(カスタム)

実は一番クラッキーな打鍵音

所感:購入時点でFR4プレートの筐体が少なかったのと、雑にスイッチを試すことのできる筐体が欲しかったので買ったベアボーン製品。フォームなども含めて非常にバランスのいい感じに仕上がってる隠れた名作。スイッチテスト用として重宝してます。

・スイッチ:MMD Princess V4 Linear Switch(28g)

・キーキャップ:Keytok Ivory Symphony

・打鍵音:

●MAMBASNAKE Xinmeng M71(カスタム)

スタビライザーの追いルブすると化けるかも、と思って幾星霜

所感:こっちもLucky65 V2と同じくスイッチテスト用に買ったものだったけど、こっちはプレートが柔らかくてスイッチやキーキャップとの相性の差が出やすかったので、なかなか弄りづらかった。でもかなり勉強になったし今の組み合わせで割と満足している。

・スイッチ:Akko Rosewood Linear Switch

・キーキャップ:mintcaps MSAプロファイル

・打鍵音:

② 磁気キーボード枠

個人的メモ:磁気キーボード全般で気を付けるべきことは、基本的にはガスケットマウントではないこと、プレートが金属+ノンフレックスであること。ガスケットマウントのものももちろんあるが、基本底打ち感が堅めのものが多い。

あと磁気スイッチは通常のメカニカルと比べてわりと粘り気があり、特にキーの戻りに独特の感触がある。通常のメカニカルスイッチよりも気持ち軽めのものを選ぶと求めている重さに近い感触を得られるはず。

磁気スイッチはまだあまり手元に数がないが、個人的にルブ必須なものが多い。ルブ前とルブ後ではまるで別の打鍵感・打鍵音になる。GateronのJade Proですらルブしたくなる(まだしてないが)。

●Keychron K2 HE

個人的に磁気キーボード+OSAプロファイルが合わなかったのでNuphyのmSAに交換したら、色合い含めて最高になった

所感:磁気キーボードでちょうど良いものを探していた時に海外クラファンで見つけた。初めてスイッチルブに手を出した製品。今では唯一無二のお気に入りキーボードになった。打鍵音を聞くとわかるが、ほかのキーボードとは一線を画した独特の静かな音になっている。

・スイッチ:Default(Gateron Double-Rail Magnetic Switch)追いルブ済み

・キーキャップ:Nuphy Gem mSA

・打鍵音:

●Nuphy Halo65 HE

これが個人的に一番Cherry Profileが合わなかった

所感:NuphyのHaloシリーズからHEが出たというのでノータイムで購入。割と安かったが、スイッチがGateron Jade Proなのと、安定のHaloシリーズの筐体なので、ほかの高級磁気キーボードと遜色ない作り。麻雀音ってこのぐらいの高さの音なんだろうなと知った。

・スイッチ:Default(Gateron Jade Pro Magnetic Switch)

・キーキャップ:Keytok Beat Boy

・打鍵音:

●ClickClack Kochi Hummingbird68

キーキャップはどこかの段階で交換したい

所感:グループバイで4か月かかってやっと届いたやつ。デフォルトの状態だとスイッチの擦れ具合がひどかったけど、ルブしたら見違えた。たぶん持っている中で一番打鍵音が高い。音に違わぬ軽めの打鍵感。あと筐体がやたら分厚い。重い。けどキーを叩いてて楽しい。

・スイッチ:Default(Elven Blink HE Switch)追いルブ済み

・キーキャップ:Default

・打鍵音:

③ 静音・薄型キーボード枠

個人的メモ:筐体の特徴ではないけど、通常のメカニカルとは評価軸が少々異なるので、こちらに薄型キーボードと静音キーボードをまとめておいておくことにした。

最近の静音軸はどれもレベルが高く、雑音を消すガスケットマウントとの相性が良いので、静音性だけをとってみればもはやリアフォよりもよい。

●Lofree Flow(カスタム)

今でも外作業するときにいつも使ってます

所感:ロープロキーボードは個人的にこれで完成しているので、ほかにあまり手を出すつもりはない。個人的デメリットは、人によってはデフォルトのスイッチだと若干重めに感じなくもないというぐらい。

・スイッチ:Spector Low-profile POM Switch

・キーキャップ:Default

・打鍵音:

●Lofree Flow Lite(カスタム)

無印と比べて少しだけ背が高めになっています

所感:上記製品のLite(と称したアップグレード)版。筐体がプラスチックになったが重さ自体はほぼ変わらない。注目は、こいつと同時に発売されたHadesスイッチ。打ち込んでる自分でも不安になるぐらい打鍵音がまったくしない。これでもう打鍵音がうるさいなんて言わせない。

・スイッチ:Hades Low-profile POM Switch

・キーキャップ:Default

・打鍵音:

●Nuphy Halo75(カスタム)

実はこれが一番スイッチを交換している筐体

所感:本来であれば通常のメカニカル枠に入れるべき筐体だけど、下記のYogurt Silentスイッチとの組み合わせで静音性があまりに高くなったので、静音枠で紹介。静音スイッチは他にGateron Zero DegreeとKaihl Deep Seaを持っているが、打鍵音と打鍵感のバランスで言えばYogurtがいちばん。打鍵感はGateronのやつの方が若干良いけど音はそこそこする。

筐体ですか? 最高にちょうどいいやつパート2。

・スイッチ:LICHICX Yogurt Silent Linear Switch

・キーキャップ:Default(Nuphy Gem mSA)

・打鍵音:

●REALFORCE R3 有線 45g 日本語配列

撮影して気づいたけど、筐体としてはリアフォがダントツででかい

所感:こっちは静音枠としての評価。上のHalo75と音を比べてみるとわかるけど、静音性で言えば若干劣る。けど、こっちはこっちで唯一無二の打鍵感も備わっている。他のメカニカルなどと比べると推し始めから押し終わりまで、終始非常にふんわりした打鍵感で疲れ知らず。これを使うと、ほかのメカニカルの打鍵感には、特に打ち終わりに筐体からの跳ね返りがあることに気づける。だてに長年高級キーボードを出してるわけじゃないということをまざまざと見せつける独自のキーボードですね。まだまだ輝けそう。

・スイッチ:Default

・キーキャップ:Default

・打鍵音:

 

何かを完成させることの効力

何かを一度でも完成させたことのある人ならわかるかもしれないが、何かしら“完成”なる状態があるようなことに取り組んでいる際、ある段階で、その良し悪しに関わらず、一旦表に出すという形で完成をさせなければならない、という思いに至ることがあるはずだ。

“完成させなければならない”とは言っても、何か遮二無二作り上げなければならない、といったような使命感とかからくるものではなく、むしろ、これは今この時点で完成ということにした方がよいのかもしれない、といったような、何となくの予感と言った方が正しい。

例えば、ある絵を完成させるためにどうしてもうまくいかない部分があり、そのうまくいかない部分を技術的課題だと捉えて、その部分がうまくいくまで延々と弄っていたとする。そういう時間を経て、ある時にふと、ああこれは何らかの形で表に出さないといけないな、という気分になる、というようなことを言おうとしている。

何故そういう気分になるのか、あるいは、どういうときにそういう気分になるのか、それはわからない。しかし、ふとそのように思った時に、何らかの形で完成という状態に持っていくことの意味は、後になるとだんだんとわかってくることも多い。だいたいは、ああこれはこの段階で“完成”させなければこの作業は後にも先にも引けなかったのだな、という感じになる。

逆に、何かしら理由を付けて完成を急いだり、完成させずにいつまでもぐずぐずしていたりすると、後になって何らかの形で、しかも思わぬ形で後悔することが間々ある。

完成させる、という行為は、完璧にする、という行為ではない。何かを作る際に完璧を目指すための作業と、完成を目指す作業は似ているようで違う。もちろん“完成”したものとして表に出す際にはなるべく悪い部分がないようにするという作業は必要になるが、それは何かが自分にとって納得のいく形にする作業とは部分的に異なる。

しかし、それが部分的に異なる作業であるからこそ、それが表に出る形になり、実際に表に出た途端に、今まで自分では気づいていなかった悪い部分が一気に見えてくるようになる。ある文章を誰か別の人に提出する必要があった場合、メールなどでデータを送付したすぐ後、文章を目の前にしていないのにもかかわらず誤字脱字や直すべき文がいくつも自分の頭の中に思い浮かんできて、結局、提出したものから大きく修正した原稿を送り直す、といったこともしばしば生じる。

これを「客観化」と言ってしまうとまた少し違う。客観化は基本的に自分の目から切り離す作業である。しかし、完成をさせることによってむしろ、より対象が内面化していくという感覚の方が近い。自分自身の感覚になるので人に当てはまるのかはわからないが、完成をさせることによって、自分が相手取っているものの形がわかり、その距離の取り方がわかるようになる、といった感じだろうか。

逆に未完成の状態のものはどのような形を持つものなのかがわからず、自分が相手からどのような距離感を保てばよいのか、あるいはそもそも相手から自分がどのような距離を取っているのかが極めて掴みづらい状態なのだろう。もちろん、何度も制作を経験するうちに、ある程度相手の形が予測できるようになってくるが、しかし完成を見ない内は細部に至るまでの形はやはり不鮮明であり、その細部が完成を見ることによって、たとえば書いていた文章の誤字脱字などがぱっと見えてくる……というところなのだろうと今のところ納得している。

自分がわかりたいのは、なぜ作業をしているとふと、これはここで完成させなければならない、という感覚に陥るのか、その予兆はどこにあるのか、といった部分。しかしこればかりは、取り組んでいる制作物やその際の自分の取り組み方、レベルによってまったく異なってくるのだろうから、何か一定の法則性の把握やその理論化は難しいとは思う。

それでも、そのきっかけか、萌芽だけでもわかっておきたいと思うのは、完成させねばという思いが発生すると、それに合わせて各種の時間の使い方をすべて変えなければならなくなるから。何かを完成させるとなると、その作業を基本的には一気に進めざるをえなくなる。それでも何か要領の良い人であれば並行して色々な作業を進めることができるのだろうけど、少なくとも自分にとって完成させる作業とは、自分が今見える限りの細部を詰める作業であるから、必然的に自分のリソースの大半をそちらに割くことになり、他の作業に目配せができなくなってくる。

無論、そのような労力を払ったとしても、結果できあがるものが全くダメなものであるということもしばしば。それでも、それを完成させなければならないと思った自分にとっては少なからぬ報いがあるので、無視することもできない。

さてどうしたものか……と思いながら、日々何かをもにょもにょ作り続けている。なぜ何かを作り続けているのかはわからない。

知識欲

最近インプットができないという話をこの前の記事で話したが、これは要は自分自身の欲を振り返る暇がないということでもある。そして欲を振り返る暇がないと、そもそも欲そのものが湧いてこなくなることすらありうるのが恐いところだ。

知識を蓄えるということ自体、そもそもが欲を中心に置いた行為である。どこまでその欲に基づいて知識を得られ続けるかは、その欲の深さに依存するが、知識を得るとその分だけ欲は深まっていく。知識は渦のようなもので、その渦が小さいうちは腕がそれほど外側に伸びず、結果的に自分の他の欲に振り回されて自然消滅するということもしばしばあるが、継続的に知識を蓄えていくと、ある地点で腕が外側に伸びるようになる。そうすると、知識の深まりとともに欲もどんどん深くなり、最初に知りたいと思っていたことなど突き抜けて、やがて知ること自体が目的と化すことすらある。そういう状態になれば、知識を得ること自体がむしろ自然な行為となってきて、何をするという意識もなく手元に様々な情報が集まってくるようになる。

面白いのは、そうした知識欲のきっかけそのものは別段何か高尚な動機に基づいているわけでもなく、私生活上のしょうもないことがきっかけとなることがしばしばあること。しかし、そうした自分のメンツや下心なんかが動機となっていること自体をいかに早期に喝破し、そのような自分の行為を自然なものであると受け止めるか否かで、知識の腕がうまく渦を巻いてくれるかどうかが決まる。そこに気づくことができないと、腕や渦が歪み、偏った知識しか得られていないこと自体にも気づけなくなる。そうなると、いつまでもそこに自分が残り続ける。

知識欲を“欲”として正しく機能させ続けるには、そこに自分が残らないことが肝要だ。

世間的にはこうした振る舞い方を“客観化”と言ったりするようであるが、何のことはなく、要は欲が自律してうまく機能してくれるかどうかまでの面倒を見る、ということに過ぎない。自分が何をやりたいのか、ということが気になるような段階ではまだ“主観”が残っているはずであり、それに照らせば上記の“客観”なるものがどういう意味であるのかも分かるだろう。

つまるところ“客観”とは、相手(知識を得る対象)の都合に合わせることでしかない。あるいは、私がこうしたい、こう見たい、ではなく、向こうがそうさせてる、向こうがそう見せている、ということに合わせて自分を動かすことだ。「欲」という言葉で知識の話を始めたが、その言葉に合わせるのであれば、知識「欲」とは自分の欲ではなく、知識そのものが欲望であり、その欲に自分がまきこまれている、と言った方がよいだろう。

ただし、この“客観”化は、自分というものから知識を切り離すことでもあり、つまり相手(=知識)がどのように自分を突き動かそうとするのかも見えてくる。その時点において、それでもなお自分がその渦に巻き込まれようとするかどうか、どこまで付き合うのか、という点は一つの選択のしどころであって、インプットができない、という話はつまりこの地点の話だ。

自分から切り離されたものはやがて、パッケージ化されつつ徐々に忘却される。そうすると、それが自分の欲をきっかけとして生まれたものであったことすらも忘却される。“客観”化は、それに伴って自分自身の現状を突き付けてくる。いっそ自分のもののままであった方がよいとも思えるが、そのまましておくと情報は知識でなくなっていく。

知識欲との戦いは常に撤退戦である。

模写を始めた

最近思い立ったので、毎日1枚程度、アニメのレイアウトを模写するという作業を進めている。

いま模写の対象としているのは『スタジオジブリ・レイアウト展』図録。たまたまレイアウト展を見に行った際に購入していたものを引っ張り出してきた。

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特に何か特別な目的があってレイアウト集を選んだわけではないが、レイアウト絵が基本的には鉛筆の線で絵が描かれているので、アナログで製図の用のシャープペンシルを使った模写の対象としてはわりとよい題材だと思う。

基本的には、自分で絵を描く際に迷わず立体の線を探すことができるようにするということを第一の目的として模写を続けているが、そのためには結局のところ、普段から自分が描こうと思っている対象の質感をどれほど具体的に観察できているのか、という点が何より重要だということを再確認した次第。

線を選ぶためには、線が決まっているかどうか、という判断そのものの精度が問われることになるが、その判断自体は線を引く技術では得られない。アニメの線は基本的には人の目を騙す線であり、そのためのごまかしが技術と呼ばれるわけだけど、何をどう騙すのか、という根本的な部分の判断ができるかどうかは、世界をどれだけ具体的に見ることができているのか、という部分に直接的に影響を受ける。

引く線が多ければ、その分だけ一本の線の精度を落としてもそれほど気にならなくなる。当たり線をたくさん引けば、その線の中から消しゴムでより良い線を削り出すこともできる。しかし、その削り出しをおこなうにせよ、自分の中でそれが“良い”と判断できるようにするための判断基準が必要となる。

割りと恐ろしいのは、“良い”と判断した線が、実はあまり立体を描けていない場合。私の場合、絵ばかりを見ていると気づけないので、散歩に出かけるなどして自分の身体とモノとの距離を意識してからもう一度絵を見ると、気づくことのできる場合が多い。

人によって異なると思うが、自分の場合にはモノの形を測る尺度が自分の身体との距離感であることを、線を引き始めてから自覚した。だから遠景になればその分だけのっぺりする。模写をする中で、遠景を描ける人はいったい何を尺度として持っているのだろうかということが意識されるようになってきた。

学習というのは人を知ろうとすることなのだろうなと思いながら、日々自分の線を模索している。

文章が書けなくなって久しい

このブログを始める前に、数年前までほとんど毎日書いていた別のブログがあったのだが、数年経ってしまうと毎日こうしたことに取り組むということ自体が非常に億劫になってしまっている。

別段、今更毎日何かを書くこと自体に異議を見出すということもないのだが、しかしそれでも以前続けていたブログの記事を読んでみると、インプットしていた情報の整理をおこなっていたり、割合精力的に日々の活動をしていたことがうかがえる。

翻って、いまこのブログで書くことが億劫になっているのは、インプットそのものが減っていて、書く内容があまりないということも大きな原因となっているように思われる。

数年前と比べれば趣味が増えたので、日々得たい情報が増えているのだが、それらの情報は鮮度というか、速報性が非常に大事になってくるもので、それらを追いかけていると日々が忙しなくなってくる。以前のブログ記事でまとめていた内容は、基本的には読んだ一冊の本の内容や、それに関連した数冊の文献、ウェブ情報などだった。それらは速報性は特に重要ではなく、むしろ時間をかけて正確に読むべきものだった。

もっと具体的に言うと、例えば、今、自分はメカニカルキーボードにはまっていて、いくつか過去に記事も出しているが、今手元には筐体がすでに10個前後あるような状態になっている。そして、これに加えてすでに3つほど購入予約をしており、これからさらに筐体が増える予定だ。手元にあるキーボード一つ一つに対して簡単なレビューを加えようと、いくつか実際に下書きとして残してあるものもある。しかし、この記事自体に自分として何か価値があるようには思えない部分があるので、結局お蔵入りとなっている。

それは、もちろん自分がまだメカニカルキーボードについての知識が浅く、それらのキーボードを比べる際に何をどのように伝えるとよいのか、という点の取捨選択の基準を定めることができない、ということも理由となっているが、もう一つ大きな理由として、手元にある筐体をここで紹介したとして、1年も持たずにあっという間に市場から消えてしまうこの筐体を紹介し、その記事をアーカイブすることに一体どれだけの価値があるだろうかと疑っているという点もある。

他にも自作PCのパーツについてもレビューを書こうと思えば書けるのだが、同じような理由で結局表に出ていない文章はいくつもある。ただPCパーツについては、アーカイブをすればそれが20年後ぐらいには歴史を追う上で貴重な資料となったりすることもあるのだろうが、その価値は記事の内容そのものというよりは、むしろ骨董価値に近いものであって、その価値は自分がどのように記事内容を精査するかどうかということとは全く別の価値基準によって測られるものである。

 

……というような言い訳を並べて、延々とブログ記事を更新しないことを正当化しようとしているが、この正当化を一体誰に向けておこなっているのかと言えば、それは紛れもなく自分だ。

そしてその言い訳の根幹には、インプットをさぼっているということへのぬぐい切れない罪悪感がある。しかし、この罪悪感もまた、言ってみれば根拠のないものであって、別にインプットをしなくてもだれからも怒られることはないし、損をするのは自分だけである。

ならばなぜ、と思うことしきり。

しかし、外側から要請される必要性とは別に、こうした自分自身の行いに対する倫理的な正否の判断が自分の行動に対し課せられるという経験は、その大小にかかわらず誰にでもありそうな気がするし、結局は誰かから要請されたり強制されたりしている中でも、その自らの持つ倫理的判断が最終的には物事を前に進めるための唯一の原動力となると思われる。

言ってみれば、そうした自分自身の行いに対する自分自身の疚しさの感覚が、唯一無二の原動力となる。そしてその疚しさ故に吐き出される文章を、日々書きつけることに意味があるとすれば、日々頭を擡げてくるその疚しさを何とか宥めて、お布団でストレスなく寝られるようにする、ということにあるのだろう。

とりあえず、閑話休題、みたいな感じの記事を一つだけ公開して、明日以降の自分がどのようにこの場所を構築していくのか、期待せずに眺めることにする。

NuPhy Gem80 レビュー(打鍵音あり):初めてキースイッチから組み立てたキーボード

NuPhy Gem80のライラック色・ラズベリーキーを購入したので、使った所感を書いてみる。

ほれ、美しかろう?(キーボードを愛でるハグリッド)

0.総評

いきなり総評となるが、打鍵音・打鍵感や各種機能をすべて含めて、現状私の環境的にこれ以上の製品を望めないだろうと思うぐらいには満足している。

まず、打鍵音にストレスを全く感じず、かといって静かすぎずに作業をしているという自意識を保つことのできる程度の音を立ててくれるという点が、テキストを多く書く身としては非常に助かっている。

そして打鍵感だが、購入時に選んだラズベリーキーだと入力が軽すぎず重すぎず、数時間キーを叩き続けたとしても全く手に負担がかかっているような感触がないという点が、やはりテキスト書きにとって何よりよい印象。

唯一、人によっては気になる点があるとすれば、筐体自体に高さがある点。スペースキー側の最も低い位置でも、実測値で20mmあった。この高さは、私自身今までリストレストを導入したことがなかったぐらいには手のひらが大きいにもかかわらず、初めてリストレストの購入を決意したぐらいの高さであると言えば多少は伝わるだろうか。

それでも、リストレストがなくとも打ち込む際のストレスはあまり感じないのだが、手のひらの小さい人にとっては大きなデメリットになりそうだなと思ったのでここに記しておく。

しかし、それ以外には現状特に不満が出てくることはないので、私的な総評としては、自宅環境でテキストを多く打つような人にとって私がお勧めしたいキーボード、ということになる。

 

以下は、導入の経緯や各項目ごとの詳細レビュー。

1.導入

今年2024年の3月にLofree Flowを購入して以来、このキーボードの打鍵感や打鍵音が気に入ってしまった。

これに似た打鍵音、特にコトコトとした粒立った入力音がするキーボードをいくつか眺めていた中でも最も惹かれたのが、表題のNuPhyから出たNuPhy Gem80という機種だった。

もう一つ惹かれたのが、WOBKEYから出ているRainy 75という商品。

こちらもまた商品の名前にもあるように、まるで雨音のような(?)コトコトという音が売りのキーボードで、独自開発のキースイッチによる独特のキータッチもまた売りの一つであるとのことだったが、この両者のレビューをなるべくたくさん参照したうえで、最終的にはキーキャップの形状の好みからGem80を購入した。

購入先は海外のNuphy直販ショップ。

私が購入しようとしたタイミングでちょうど日本市場向けにも販売サイトがオープンしていたのだが、サイトを覗いたら、Nuphy本国の直販サイトの値段よりも1.6倍ぐらいはするような値段(5万円強)で売られていたので、海外から取り寄せることにした。

海外から取り寄せるときに気を付けるべきことは、無線付きのモデルに技適がついていない点。Gem80はBluetooth接続で3台まで接続先を記録しておけるので、その機能が使えないのが少々痛いところ。その点は下の使用感でももう一度触れることにする。

注文は5月29日で、そこからたったの5日、6月3日には自宅に到着した。個人輸入としてはかなり到着が早い印象を持った。

2.使用感

① 送付されたものや状態

送付されてきたのは、

  • キースイッチやキャップを装着するための筐体
  • キースイッチ
  • キーキャップ

の3箱で、普通のキーボードの大きさをイメージしていると面食らうような体積になる。

また、普通のキーボードと違って、キースイッチ、キーキャップは自分で装着する必要があるので、買ってからすぐに使いたい人向けではない点は留意するべきだろう

……が、わざわざGem80という機種に行き当たった人が心配することでもないはず。

残念ながらキーキャップやキースイッチを装着する前の筐体の写真を撮り忘れてしまったので、キースイッチのついていないむき出しの筐体がどういう状態になっているのかをお見せすることはできないが、面白いことにリターンキーとスペースキー、ESCキーの三つには既にキースイッチが装着されている状態で、しかもリターンキーはラズベリー、スペースキーはレモン、ESCキーはミントと、この機種向けに用意されている3つのキーがそれぞれ別個に用意されていた。これのおかげで、私の手元でスイッチの押し心地やキーの音を確かめることができたので、これはいい販促だなぁと思った。

私自身はこの3つのキーを比べた結果、事前リサーチからの想定通りラズベリーキーの感触が最も気に入ったが、人によっては購入したのとは別のキーを別途購入するみたいなことも十分ありうるだろう。それぐらいには3つのスイッチはどれもそれぞれに良さがあった。

② 打鍵音

以前、Lofree Flowのレビューでやった通り、20秒ほど打鍵音を録音したものを以下に掲載する。

参考として、Lofree Flowの打鍵音も並べて置いておく。

こうして聞き比べてみるとわかるように、Lofree Flowよりもさらにコトコトとした小気味のいい音が聞こえてくるのがわかると思う。あと音声からだとあまり伝わらないかもしれないが、Gem80の方が音が単純に大きい。

Lofree Flowの方が静音性という意味では良い分、いくらか音が滲んでしまっている部分があると思うが、これは良し悪しだと思う。

Lofree Flowはロープロファイルの75%キーボードという括りなので、どちらかというとノートPCを使っている人が持ち歩いたり外出先で普段使いするといった用途が視野に入ってくる。そのような用途を考える場合、Gem80のように粒だった音が聞こえてくると、自分自身は気持ちよくても周囲の人が普通に煩がるだろう。

そういう意味ではLofree Flowの音は非常に絶妙な辺りで調整されていると言える。外で作業をおこなっていても周囲の人を気にするような音とはならず、かといって全く静音であるわけではなく、コトコトと私だけに聞こえる程度の静かな音、と言えばいいのだろうか。

これ以上の話はLofree Flowのレビューとなってしまうので控えるが、Lofree Flowのそうしたバランスのよい音と比べると、Gem80の方は完全に自宅、ないし自分だけが作業するような環境で使用するものだと言える。一応、内蔵プレートに装着するためのシリコンがいくつか製品に同封されており、それを交換することで静音性をいくらか高めることは可能だ。

また、これは海外向けの直販サイトでの注文時に限られるが、オプションで内蔵プレートを追加注文することができ、アルミニウムやPC、POMなどの種類が用意されている。加えて注文時のキースイッチの選択肢の中に、静音性に特化したスイッチが用意されているので、そちらを選ぶことで静音性を高めることも十分に可能だ。

総じて言えば、カスタマイズ性は抜群でスイッチの交換も可能だが、基本的には自宅環境で作業をするためのキーボード、となるだろう。

③ 打鍵感

これは文字で起こすしかないのでわかりやすくお伝えするのが難しいが、自宅で主に使っているLofree FlowやRealforceのR3との比較で言えば、これらのキーボードの中で一番打鍵感が軽いキーボードとなる。

公称値で言えば、Gem80のラズベリーキーの重さはoperating forceで46±5gf、end forceで50±5gfとなっていて、Realforceの標準である45±5gfとほぼ変わらない重さだが、恐らく使用されているスプリングの違いによって感触が異なっている。具体的には、キーを押し込んでから底を打つまでの重さは、Gem80の方がとても軽く感じる。キーの戻りについてはRealforceの方が強く、その分押し込む際の反発もGem80に比べれば強い。どちらが良いかは個々人でかなり違うだろうし、キースイッチの特性が全く違うので、何なら両方とも好きで使い分けをするという人すらいるだろう。

あと、これはタイピングの仕方によると思うが、基本的にキーの押し込みが強めの人であれば、キーの戻りについてはあまり気にせず使えると思う。私自身が強めにキーを叩く人だと思うが、強く叩く分、キーの戻りもそこまで気にするものでもないという程度の印象。リアフォなどと比べてしまえば弱さに気づくが、普段から使用していればほとんど気づかないだろう。

むしろキーを押す際の抵抗がなく、運指の際の引っ掛かりが取れたおかげでタイピングの速度が任意に上がったと言える程度にスムーズになったので、これはうれしい誤算だった。

④ 通信機能

「1.導入」でも言ったが、私が購入したのは海外通販だったので、手元にある筐体には技適が付いていない。そのため、Bluetoothの機能を使えないのだが、本来であれば3台の接続先を記録しておくことができ、パソコンを複数台使用するような環境であってもGem80一台で用事を済ませることができる点は利点だと思う(最近の無線キーボードでは割とよくある機能だが)。

これが使えないと、例えば自宅環境で、据え置きのデスクトップと持ち運び用のノートPCの両方を自宅環境で使用するような人によっては困ってしまうだろうが、私自身は持ち運び用のPCとデスクトップで完全にキーボードを切り替えて使用するつもりなので、そこまで困ることはない。

そもそも私はGem80を基本的に有線接続で使用しようと考えていた口なので、技適の有無はあまり気にならなかった。

もし海外通販での購入を検討している人であれば、このBluetooth周りの制約について自分の使用環境とよく引き比べたうえでどうするか決める方が良いと思う。

ちなみに有線接続は、最近は標準的となったUSB-C接続。

⑤ カスタマイズ性

特に海外直販サイトの注文時に選べる項目の多さ、オプションの多さを見ればわかるが、カスタマイズ性は割と高めで、公式もそれを一つの売りにしていると思われる。特に上記のように、マウントするためのシリコンや機械要素が付属しているので、それらを付け替えることでより自分の好みに寄せることが可能だ。

またスイッチプレートも交換可能で、Gem80に使用されている星形ネジ専用のドライバーが付属している点も非常にありがたい。

3.雑感

これまで特にキーボードについてのこだわりがあったわけではない中でのレビューとなったので、色々とかゆいところに手が届かないような書き方になっているかもしれないが、注文から到着までの早さも含めて、今回はとても良い買い物ができたと思う。

ちなみに生産数が追い付いていないのか、私の第一候補であったモカ色の筐体とキーキャップが無線機能付きでは売り切れていた。トップの画像のように、いま私の手元にあるのはライラック色(これもモカと同じぐらい好きだったので検討当初は悩んでた)だが、こちらも私が購入した直後に売り切れたので、特に無線機能付きの在庫はあまりないと思われる(2024年5月現在)。

ピンク色として売られている筐体だけは残っていたはずなので、日本向けの直販サイトの値段が気になるようであれば、早いうちに購入を検討したほうが良いかも。